2013年8月11日日曜日

【暑中御見舞2】 ゴールドベルク変奏曲

連日の猛暑です。皆様ご自愛ください。

J.S.Bach ゴールドベルク変奏曲 アリア(ハープ演奏版)


曲に寄せて
有名なバッハのゴールドベルク変奏曲のアリアです。通常チェンバロで演奏されますが、今日は珍しいハープでの演奏を聴いてみます。とても優しい音色に癒されます。
不眠症に悩む伯爵のために演奏されたという俗説があります。このアリアはその説にうなずけますが、この後に続く30の変奏曲は睡眠導入には向かないように思われます。

2013年8月9日金曜日

【暑中御見舞】The Sound of Music

夏本番です。当地も真夏日の日々です。
この時期は毎年のことですが、何故かモーツァルトを聴こうというモチベーションが下がってしまいます。
なので、今月は少しモーツァルトとは離れてなるべく涼しげな曲をランダムにアップしようと思います。

The Sound of Music

The Sound of Music 序曲

曲に寄せて
ミュージカル史上に燦然と輝く不滅の名作『サウンド・オブ・ミュージック』のオープニング主題歌です。
モーツァルトの故郷・ザルツブルクを舞台とした大ヒット映画で、ヨーロッパアルプス上空からの雄大な映像が次第に絞り込まれ、ジュリー・アンドリュースを捉える冒頭シーンは実に印象的でした。
もう公開から50年近く経過していてもいまだに深く心に残っています。

2013年8月5日月曜日

K.450 ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 第1楽章

この曲はモーツァルトの自作目録の第2曲目の作品です。
ウィーンで独立し精力的に活動し始めたモーツァルトは、自身の演奏会用にピアノ協奏曲を立て続けに作曲していましたが、この協奏曲は3月24日の2回目の演奏会のために書かれたものです。
オーケストラの編成も大きくなっていて、技巧的にも難しくなっているそうです。 

卓越した作曲家でありピアニストでもあったモーツァルトが、独立した音楽家として成功するためにはピアノ協奏曲の新作を次々と発表し演奏会を開催することが最も近道であったと思われます。
その結果として、1784年から1786年までの3年間に12曲以上の傑作が生み出され、ピアノ協奏曲というジャンルに輝かしい足跡を残すことになります。

ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450 第1楽章 Allegro

Link >> 第3楽章

2013年8月4日日曜日

K.302(293b) ヴァイオリン・ソナタ  変ホ長調

新潟市・白山公園の蓮(2013.7.27)
この曲は選帝侯妃マリア・エリーザベトに献呈された6曲のピアノとヴァイオリンのためのソナタ(いわゆる「マンハイム・ソナタ」、K.301~306)の第2曲目にあたります。
 1778年2月マンハイムで作曲され、11月に出版されています。
 第1番ト長調(K.301)が抒情的であったのに対し、この曲は典型的なモーツァルト風の陰翳に満ちた曲に仕上がっています。 2楽章から成っていて、今日聴く第2楽章は瞑想的な荘重な雰囲気で始まり、二つの楽器が協奏しながら、最後はピアニッシモで消えるように曲を閉じています。

ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.302 第2楽章 Andante grazioso ロンド形式

余談◆ 
ようやく当地も梅雨明け宣言が出ましたが、まだクーラー無しで過ごせます。朝晩は肌寒いくらいです。
先日の局地豪雨では多くの被害が報道されています。被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。 
写真は新潟市民の憩いの場である白山公園で先週撮影しました。
この公園は音楽の殿堂「りゅーとぴあ」のすぐ隣にあります。規模は小さいですが歴史ある神社があり新潟市民の心の中心的存在になっています。市内の住所の番地もここに近いほうが番地が若いように制定されているそうです。

2013年8月3日土曜日

K.338 交響曲 第34番 ハ長調 第3楽章

奥只見から望む越後駒ケ岳
モーツァルトにとって故郷ザルツブルクは愛憎半ばする地かも知れません。
そんな故郷で1780年8月に書かれた最後の交響曲がこのK.338です。
作曲の動機ははっきりしていませんが、この後音楽劇「イドメネオ」(K.366)の稽古のためにザルツブルクを離れミュンヘンに向かい、しばらく故郷には帰ってきません。その別れの演奏会のために書かれたともいわれています。
就職活動のためにパリ、マンハイム、ミュンヘンを旅して受けた刺激を反映させて、充実した編成と作曲技法で書かれています。3楽章形式でメヌエットはありません。
ハ長調ということで最後の交響曲「ジュピター」の壮麗さを思い起こさせます。

交響曲 第34番 ハ長調 K.338 第3楽章 Allegro vivace

余談
モーツァルトの交響曲には名前のついたものが結構あります。
31番「パリ」、35番「ハフナー」、36番「リンツ」、38番「プラハ」、そして有名な41番「ジュピター」などです。いずれも名作ですが、名前がないためにあまり知られていないこの34番も実に素晴らしい曲です。
勝手に名付け親をするなら『さよならザルツブルク』。自分を受け入れてくれない閉鎖的な故郷から新天地に向うエネルギーを感じさせてくれます。