2013年12月31日火曜日

大晦日に寄せて K.379 ヴァイオリン・ソナタ ト長調 第2楽章

2013年最後の1日です。

第2楽章は主題と5つの変奏、そしてコーダで構成されています。
主題は愛らしく親しみやすいメロディで始ります。
第1変奏はピアノだけで演奏されます。第2変奏はバイオリンの3連符で勢いよく始ります。
その後3つの変奏が続き、最後に主題が再度現れ曲を締めくくります。

ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.379/第2楽章 Andantino cantabile

余談
この曲に関してモーツァルト研究家のアインシュタインは次のように述べています。
「壮麗で激動的なアダージョによって導入され、やや市民的で気楽すぎる変奏曲によって結ばれ、ト短調の情熱的なアレグロを持つ。」
『やや市民的で気楽すぎる』と評しているこの変奏ですが、私はとても好きです。
モーツァルトの変奏曲は、変幻自在で無限の創造性を感じさせてくれて何度聴いても飽きることはありません。

今年は love mozart love にお付き合いいただきありがとうございました。
(休眠の日々が多く、気まぐれな更新ですみませんでした。)
来年も愛するモーツァルトの音楽をたくさん聴いて、充実した1年にしたいと思います。
その魅力を少しでもお伝えできるよう、このブログも出来る範囲で更新させていただきます。
それでは良いお年をお迎えください。

2013年12月30日月曜日

K.379 (373a) ヴァイオリン・ソナタ ト長調 第1楽章 

新潟西海岸の松林
2013年も残すところあと2日となりました。
最後に1年を振り返りながらこの曲を聴いてみます。

数多いモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの中でもK.379は異彩を放っています。
2楽章形式で、第1楽章は冒頭のアルペジオに始る壮麗で長いアダージョの序奏の後に、ト短調のアレグロが続いて、ドラマチックで刺激的な構成になっています。
1781年4月にコロレド大司教主催のザルツブルク宮廷音楽家による音楽会のために書かれたといわれています。

ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.379/第1楽章 Adagio - Allegro

◆余談◆
私は就寝の際にCDをかけながら眠ります。ほとんどの場合モーツァルトの室内楽です。特にヴァイオリン・ソナタは睡眠にうってつけのようで、気持ちよく眠れて目覚めも爽やかです。
特にこの寒い時期は電気毛布に暖をとり、モーツァルトの室内楽を抱きしめながら眠る感覚は何ものにも替えがたい至福の時です。
ほとんどの場合、第1楽章の途中で眠ってしましますので、翌朝余裕があれば続きを聴きます。

2013年12月29日日曜日

K.496 ピアノ三重奏曲(第3番)ト長調 第1楽章

新潟市西蒲区 角田山を望む
今年も押し迫ってまいりました。
「496」という数字が先日のBSスペシャル「神の数式」に出てきたので、今日はK.496を聴いてみます。

作曲されたのは1786年、「フィガロの結婚」を作曲した年に書かれました。
前作のピアノトリオ K.254からほぼ10年経過して作られたこの作品は、ピアノの伴奏という役割が主だった2つの弦楽器が活発に動き、「三重奏」の名にふさわし充実した構成になっています。特に、チェロが他の2楽器と対等に扱われる第1楽章の展開部はこうした変化を明確に示しているそうです。

ピアノ三重奏曲ト長調 K.496/第1楽章 Allegro

余談
数字を見ると、なんでもケッヘル番号に結び付けてしまうのはモーツァルト・ファンの性(さが)であります。
500円の買い物をして525円払うと「アイネクライネ」を思い起こすのは私だけではないでしょう。(4月からは540円になるのでアダージョ ロ短調になります。その先は交響曲ト短調です。)

ところで、先日再放送された「神の数式」は数式の内容は門外漢でしたが、最先端の物理学をわかりやすく解説した秀逸な番組で夢中で見させていただきました。
その最終回で話題になっている超弦論の数式を詳しく展開していくとこの「496」がいたるところに現れるのだそうです。
この数字は完全数で、その約数(自身の数以外)の和がその数に等しい数字なのだそうです。なんとも不思議で神秘的な結果です。自然界の仕組みの奥深さにただただ感嘆するばかりです。

モーツァルトの「496」はこの曲ですが、モーツァルトの場合はどのケッヘル番号も完全数だと思います。

2013年12月6日金曜日

K.216 ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 第2楽章

無事に命日が過ぎました。
毎年12月5日は何か特別なことをしようと思ったこともありましたが、やはり心のおもむくままに大好きなモーツァルトの曲をひとり静かに聴き入ることが一番ぴったりするようです。
なんとなく心がほっとする週末、今日はヴァイオリン協奏曲(第3番)を聴いてみます。
以前も取り上げて第1楽章を載せましたが、今日は第2楽章アダージョを聴いてみます。
伸びやかなヴァイオリンの繊細なメロディで始るこの楽章は、終始穏やかに流れ、控えめに寄り添うオーケストラのハーモニーが見事に調和して天国的な安らぎを感じさせてくれます。

ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216 第2楽章 Adagio

余談
 モーツァルトのヴァイオリン協奏曲はこの3番で飛躍的な発展を遂げたといわれています。 わずか3ヶ月前に書かれた第2番と比べると確かに成熟した様式美があり、奥深い豊かな表現が聴くものを魅了します。
この年に第5番まで書き上げたモーツァルトはその後はヴァイオリン協奏曲を一切書きませんでした。ヴァイオリン・ソナタは長い間にわたり数多く残していることを考えるとちょっと不思議に思われますが、ご本人的には極めてしまったのかもしれません。

2013年12月5日木曜日

御命日に寄せて K.581 第2楽章

今年もこの日が巡ってきました。
あなたがこの世を去られてから222年の歳月が流れました。
天上界でお健やかにお過ごしのことと拝察致します。

あなたが去られてから、あなたが残して下さった音楽の数々は世界中の人々に愛され続けています。

この星の上であなたの音楽が流れない時は一瞬たりともありません。
数え切れない人々があなたの音楽の美しさに酔いしれ、生きる力をいただいております。

この世に生を受けて、あなたの音楽に巡りあえたことの幸せに感謝せずにはいられません。

これからもずーっとずーっと楽しませいただきます。
先生もますますお元気でお過ごしください。

モーツァルト様へ


クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581/第2楽章 Larghetto ニ長調

2013年12月1日日曜日

K.239 セレナーデ 第6番 ニ長調 「セレナータ・ノットゥルナ」

1776年1月、20歳を迎えたモーツァルトは、その前後の2年ほどの間、ザルツブルクに腰を落ち着け、宮廷音楽家としての職分を守りつつ、軽い実用的な作品を書いています。
セレナーデ、ディヴェルティメントといった社交的・娯楽的なジャンルの作品が多く残っていて、この曲もその中のひとつで、親しみやすい明るい曲想で広く親しまれています。
「セレナータ・ノットゥルナ(Serenada Notturna)」の表題は、父レオポルトが自筆楽譜に記入したものだといわれていますが、定かではありません。楽章数がわずか3つしかないこと、管楽器が省略されていることなど、一般のセレナーデとは異なった特徴があります。

セレナーデ 第6番 ニ長調 K.239/第3楽章 Allegretto ニ長調

余談
久しぶりに「セレナータ・ノットゥルナ」を聴きました。
毎日、鉛色の低く垂れこめた曇天を見ていると、ついつい短調系の曲に手が伸びますが、この曲のように屈託のない明るい曲は心を晴れ晴れとさせてくれます。モーツァルトの真骨頂です。