2015年3月29日日曜日

The Beatles / Here comes the sun

本格的な春がやってきました。
当地では桜はまだ蕾ですが、梅が美しい開花を迎えています。
ちょっとモーツァルトからは離れて、この時期によく流れるビートルズの名曲を聴いてみます。
ビートルズの最後のアルバム「アビー・ロード」に入っていて、私の超お気に入りです。作曲したのはジョージ・ハリスンで、この曲をきっかけに私は彼が大好きになりました。
多くのカバーが出ていますが、今日はフルート、ハープ、ヴィオラのトリオで演奏されているものを聴いてみます。暖かい春を迎えた喜びがリズミカルに表現されています。


George Harrison/Here comes the sun/played by Aureole Trio

<歌詞>
Here comes the sun, here comes the sun, and I say it's all right
Little darling, it's been a long cold lonely winter
Little darling, it feels like years since it's been here
Here comes the sun, here comes the sun and I say it's all right

Little darling, the smiles returning to the faces
Little darling, it seems like years since it's been here
Here comes the sun, here comes the sun and I say it's all right

Sun, sun, sun, here it comes...
Sun, sun, sun, here it comes...
Sun, sun, sun, here it comes...
Sun, sun, sun, here it comes...

Little darling, I feel that ice is slowly melting
Little darling, it seems like years since it's been clear
Here comes the sun, here comes the sun, and I say it's all right
It's all right

2015年3月28日土曜日

ハイドン/弦楽四重奏曲第77番 第2楽章

今日はモーツァルトが敬愛したハイドンの作品を聴いてみます。
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)はモーツァルトの生涯をすっぽり見守るように長命でした。
「交響曲の父」「弦楽四重奏曲の父」とも呼ばれて、交響曲は108曲、弦楽四重奏曲83曲という膨大な作品を残しています。
その中で最も有名な、弦楽四重奏曲第77番ハ長調は「皇帝」という副題をもっていて、第2楽章が「オーストリア国家及び皇帝を賛える歌」の変奏曲で、主題はドイツ国歌になっています。
シンプルで崇高な美しさを感じさせ、心に深く残る旋律です。


ハイドン/弦楽四重奏曲第77番 第2楽章 Poco Adagio. Cantabile

余談1
私はハイドンの作品のCDは数枚しか持っていません。ハイドンには誠に申し訳ありませんが、バッハとモーツァルトに挟まれて、その存在感は薄れがちになっているように感じます。機会があったら少しずつ聴いてみたいと思います。
余談2
年度末です。新聞紙上に多くの人事異動が掲載されています。以前はその中に友人・知人の名前を発見して「彼は随分出世したなーーー」などと思いに浸りましたが、今年は殆ど退職して名前を見つけることは出来なくなってきました。ちょっと寂しいですが必然の流れです。

2015年3月22日日曜日

K.387 弦楽四重奏曲(第14番)ト長調 第4楽章

第4楽章は一転してモルト・アレグロ。
出だしのモチーフはジュピター交響曲の最終楽章を彷彿させます。
フーガのようなポリフォニックな響きと和声的な響きが交互して、緻密な構成になっています。
モーツァルトがバロック音楽を研究した成果が感じられ、非常な高みに到達した作品といえます。


弦楽四重奏曲 ト長調 K.387/第4楽章 Molto allegro

モーツァルトのハイドンセット
この曲を含めて6曲の弦楽四重奏曲はのちにまとめて出版され、ヨーゼフ・ハイドンに捧げられました。
その序文の中でモーツァルトは次のように述べています。(要約)
「私は弦楽四重奏曲の書き方については、あなたから深く教えられました。それを習得するのは決して楽なことではありませんでした。今、感謝の心を込めてあなたにこれを捧げます。どうぞあたたかい父親の気持ちで受け取ってください。」
モーツァルトほどの天才がこれだけの敬意をはらっていたのですから、ハイドンもすごい作曲家だったんですね。
■参考■ハイドンセットは下記の6曲からなっています(これからも順次取り上げていきます。)
                                (このブログで取り上げた楽章)
第1曲 K.387 ト長調 「春」       第1楽章 第2楽章 第3楽章 第4楽章
  2曲 K.421 (417b) ニ短調    第1楽章 第2楽章 第4楽章
  3曲 K.428 (421b) 変ホ長調   第1楽章 第2楽章 第3楽章 第4楽章
  4曲 K.458 変ロ長調 「狩」    第1楽章
  5曲 K.464 イ長調
  6曲 K.465 ハ長調 「不協和音」

余談
今日は「きらクラ!」がありません。なんか調子狂います。
古今和歌集に『世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』とかいうのがありましたが・・・
『世の中に絶えてきらクラ!のなかりせば 日曜の心はのどけからまし』
というところでしょうか。なんかはりあいがありません。

2015年3月21日土曜日

K.387 弦楽四重奏曲(第14番)ト長調 第3楽章

福寿草(mari-garden)
春分の日です。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったもので、すっかり春めいてきました。我が家の庭にも福寿草がかわいい姿を現してくれました。
今日は引き続き、通称「春」と呼ばれている弦楽四重奏の第3楽章を聴いてみます。
優美でゆったりとしたアンダンテ・カンタービレで、ハ長調で書かれていますが、どこか物憂い雰囲気をもっています。
今までこのジャンルでは第1ヴァイオリンが旋律を奏でて、他の楽器は伴奏に回ることが多かったのですが、この楽章では4本の弦楽器がそれぞれの独立した存在感を示しながら、全体として調和を保っています。慎重な楽想の運びで重厚さをも漂わせている力作です。


弦楽四重奏曲 ト長調 K.387/第3楽章 Andante cantabile ハ長調

余談
モーツァルトの音楽はすでに彼の頭の中に完璧に描かれていて、その自筆譜は非常にきれいで、書き直したり修正したりした形跡が殆ど残っていないとよく言われます。
しかし、このハイドンセットに関しては何度も何度も手直しをした跡が残っているそうです。それほど彼はハイドンから学んだことを生かし再構築しようとした並々ならない努力があったようです。

2015年3月14日土曜日

K.596 歌曲「春への憧れ」

先週末は春のような陽気でしたが、今週は一転して寒波の襲来でした。
春の本格的な訪れはもうしばらくかかりそうです。

この時期の定番ですが、モーツァルトの最晩年の歌曲「春への憧れ」を聴いてみます。
作曲されたのは1791年(モーツァルトの亡くなった年)1月14日で、歌詞はオーヴァベックの童詩集「フリッツヒェンの歌」の中から採られています。
この曲の主題はすぐ前の1月5日に作られた最期のピアノ協奏曲(27番)K.595の第3楽章のものが用いられています。 ドイツ語で「喜ばしげに Frohlich」と指示されていて、天真爛漫な子供たちが無邪気に歌うような、澄み切った明るさに満ちています。 この頃のモーツァルトの生活は悲惨な窮迫のどん底にあったと伝えられていますが、そのような影は微塵も感じさせていません。


春への憧れ K.596 
〔歌詞〕(第1・2節)
来ておくれ、なつかしい五月よ、来て樹々をふたたび緑にしておくれ
そしてぼくのために、小川のほとりにかわいいすみれを咲かせておくれ!
どんなにかぼくはすみれの花をもう一度見たがっていることだろう
ああ、なつかしい五月よ、どんなにかぼくは散歩に出かけたいことだろう!

先回のきらクラ!
年度末の繁忙に紛れ、なかなか更新できませんでしたが、先回の「きらクラ!」BGM選手権には素晴らしい感動をいただきました。
山村暮鳥 作「風の方向がかはつた」 は季節の変わり目の風と後半の妻への愛に、とても心がほっこりする素敵な詩でした。この詩にディーリアス/「フロリダ組曲」から第2曲「河畔にて」があてられました。初めて耳にする曲でしたが、出だしを聴いた瞬間魅了されました。
こんなに詩の雰囲気とマッチし、相乗効果をもたらす曲があったなんて知りませんでした。投稿した方にも選んだコダマッチにも感謝です。歴史的名作だと思います。

2015年3月1日日曜日

K.387 弦楽四重奏曲(第14番)ト長調 第2楽章

新潟市・越前浜の夕景(2015.2.28)
3月が始まりました。その美しい姿で私たちを魅了した多くの白鳥たちも北国に帰って行きました。
今年の春の訪れは少し早くなりそうです。
昨日は穏やかな気候だったので、近くの越前浜を散歩してきました。日差しは春を感じさせましたが、激しく波打つ海面はまだ冬の日本海でした。

昨年の3月に第1楽章掲載した、通称「春」と呼ばれる弦楽四重奏曲(第14番)の第2楽章を聴いてみます。
有名なハイドン・セットの第1曲で、モーツァルトの並々ならない研鑽のあとが表れているそうです。
4分の3拍子ですが、リズムに工夫を凝らして2拍子のような感じも出ていて二重の影を持たせています。


弦楽四重奏曲 ト長調 K.378/第2楽章 Menuetto : Allegretto ト長調

今日のきらクラ!
番組継続、ご自愛ステッカー増刷も決まり、ようやく落ち着いた雰囲気になりました。
コダマッチの三寒四温をテーマにした選曲も素敵で、春の足音が聞こえてきました。
勝手に名付け親では、私にはあまり馴染みのない作曲家イベールの「フルート協奏曲」から第2楽章でしたが、とても懐の広い安らぎを感じる魅力的な曲でした。私は何も浮かびませんでしたが、相変わらずリスナーのみなさんの斬新な発想には脱帽しました。「樹海」「かぐや姫、月に帰る」「静かな平泳ぎ」「ふきのとう」「ハヤシライスの憂鬱」「方向音痴のひとり旅」…豊かな想像力に感心したり、笑ったり、本当に面白いです。
その後にかかったモーツァルト ピアノ協奏曲20番 ニ短調 K.466 のブルーノ・ワルター弾き振りの演奏には感激しました。1937年のモノラル音源ですが、張りつめた緊迫感の中に清廉な美しさと湧き上がる激しい感情が見事に顕現した素晴らしい演奏でした。カデンツァも新鮮でした。なぜかこういう古い録音は郷愁を誘って、想像力をかき立てて味わい深いものです。
ふかわさんも体のメンテナンス大変のようですが、ご自愛くださいませ。私も以前腰痛で随分苦しみましたから、その切なさは理解できます。どうか快方に向かいますようお祈りいたします。ふかわさんなくして『きら☆クラ!』はありえません。