この協奏曲の特徴は、オーボエのかわりにクラリネットが使用されていること、トランペット、テンパニ―が使用されていないこと、管楽器が控えめに使われていること等で、全体的に非常に柔らかく細やかな情趣に溢れています。形式的にも一般的で安定した印象を与え、親しみを持たれます。
作品自体、非常に入念に作られていて、第1楽章のカデンツァはきっちりと書き込まれていて、さらに第2、3楽章ではカデンツァは置かれていません。それだけ緻密な構成になっていて、ピアニストの即興演奏を入れる余地を与えていません。
第1楽章 、 第2楽章 は以前取り上げましたので、ここでは第3楽章を聴いてみます。
イ長調のアレグロ・アッサイで、ロンド形式で書かれています。
快活でのびのびした主題と豊富な転調、時々現れる短調の見事な対比で、澄み切った情感あふれる美しい曲になっています。
ピアノ協奏曲(第23番)イ長調 K.488/第3楽章 Allegro assai
◆余談◆
すっかり春めいてまいりましが、今朝は当地では2~3cmの積雪がありました。三寒四温です。
しばらくボーッと生きていて、更新が滞ってしまいました。これからモーツァルトの絶頂期の作品が次々に登場しますので、楽しみながらボチボチ更新させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。