2014年1月27日月曜日

お誕生日おめでとう!!!  K.1a

1756年1月27日夜8時、ザルツブルクのゲトライデガッセ9番地、ヨハン・ローレンツ・ハーゲナウアの家で、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがこの世に誕生しました。
まことに歴史的な日であります。
そこで今日はモーツァルトが5歳の時、最初に書いたといわれるアンダンテをきいてみます。
K.1a - 1dは、父が姉ナンネルのために編集したクラヴィアのための練習帳「ナンネルの楽譜帳」の中に書き込まれていましたが、ナンネルが後にその部分を記念に切り抜いてしまっていたので、長い間行方不明でした。それが20世紀後半に発見され、父のメモ「5歳の最初の3ヶ月」により、最初の作品とされたK.1(K.1e-1f)よりも前に置かれました。
可愛らしいメロディーです。

ピアノのためのアンダンテ K.1a

2014年1月12日日曜日

K.297b 協奏交響曲 変ホ長調 第3楽章

新潟平野の田圃で餌探しをする白鳥
「協奏交響曲」は18世紀の交響曲のジャンルのひとつで、複数の独奏楽器を持っています。
この曲はオーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンの4つの独奏楽器のために書かれています。
(モーツァルトはもうひとつ有名なヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 K.364 も残しています。)

1778年の4月にパリ到着して間もないモーツァルトが、ちょうどパリにいあわせた4人の名管楽器奏者の演奏会のために書かれたといわれています。
残念なことに自筆譜が失われているためにモーツァルトの真作か否かがいまだに確定されていないそうです。
しかし、耳にした途端、明るく軽妙洒脱な雰囲気はモーツァルトの作品として全く違和感を感じません。

協奏交響曲 変ホ長調 K.297b/第3楽章 Andantino


◆余談◆
この曲に名前をつけるとすると何がいいでしょうか?
今日放送されたNHK-FMのクラシック番組「きらクラ!」の《勝手に名付け親》コーナーでこの曲がお題になりました。
「きらクラ!」は全国に多くのファンがいらっしゃると思いますが、本当に楽しい番組です。
私も毎週、笑ったり、感心したり、感動したりしながら聞かせていただいております。
この番組は何といってもパーソナリティーのふかわりょうさんと遠藤真理さんの掛け合いが絶妙です。
おふたりとも素晴らしい感性をお持ちで、お話にすごく共感できる場面が多く、私はおふたりの大ファンになってしまいました。
番組には他に《BGM選手権》というコーナーがありますが、これは秀逸な企画だと思います。
今日の「走れメロス」にも涙してしまいました。投稿されたリスナーの方々、編集されたスタッフの方々等々、本当に素晴らしい内容で、言葉と音楽が融合した新鮮な感銘をおぼえました。
この番組が末永く続くようにこれからも心から応援させていただきます。
1月19日「きらクラ!」放送結果
この曲には「赤ちゃんのいたずら冒険・探険」という名前が付きました。
イメージにぴったりです。さすがです。
ところで、恥ずかしながら私の投稿も読んでいただきました。
私のイメージは・・・
なにげない日常生活の中の温かい家族愛みたいなものを感じます。
布団の中の少年がまな板の音で目を覚まし、エプロン姿の母親と湯気の香りで今朝のメニューを想像する・・・
「今朝は、あったかごはんと味噌汁かな?」
でした。投稿した後、なんか少し違和感があり当選した名前を聞いて納得しました。

2014年1月7日火曜日

K.304(300c) ヴァイオリン・ソナタ ホ短調

新潟市・上堰潟公園にて
寒い日々が続いています。
当地では1月なのに珍しく積雪がありません。これから冬本番を迎えるのでしょうか。

今日は珍しい調性のヴァイオリン・ソナタを聴いてみます。このホ短調のソナタは、1778年に作曲された「選帝侯妃ソナタ」と呼ばれる6曲のヴァイオリン・ソナタ集の中の1曲です。
「ホ短調」という調性はモーツァルトの作品の中には極めて稀で、他には弦楽四重奏曲の断片のみしかないようです。(違ってたらごめんなさい)
この時期モーツァルトは、マンハイムで職にありつこうとしたましたが、失敗してパリに向かっていました。そこでも思い通りにはいかず、さらに母の死を予感しつつ異郷の地で孤独を味わっていました。そんな心の奥底からの悲哀の表出を感じさせます。
悲しい経験のひとつひとつがモーツァルトの作品により一層の深みをもたらしています。

ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304(300c)/第2楽章 Tempo di Menuetto

2014年1月3日金曜日

K.299 フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 第3楽章

第3楽章はロンド(アレグロ)。
2分の2拍子のオーケストラの快活なリズムに乗って、フルートとハープの活発なかけあいが加わり、絢爛なフィナーレを迎えます。

フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c) 第3楽章 Allegro


◆余談◆
この曲は本当に何度聴いても素晴らしい。
フルートとハープという2つの独奏楽器を用いた協奏曲は後にも先にもこの曲のみだと思います。
それぞれの楽器の特色を見事に引き出し、オーケストラの響きに融和させています。
華やかさと気品、そして情感豊かな美しさを備えた比類なき名作といっていいと思います。
正に新年にふさわしい名曲です。
ご存知のように、モーツァルトがハープのために書いた曲はこの1曲のみです。
意外な感じがしますが、当時のハープは半音への移行が自由にできるダブル・アクションを備えていない不完全な楽器であったためといわれています。
またモーツァルトは当時音程が不安定だったフルートも嫌っていたといわれています。
そんなデッドな環境でもこのような作品を書き上げられる才能には、ただただ敬服するのみです。

2014年1月2日木曜日

K.299 フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 第2楽章



第2楽章はアンダンテです。
控えめな弦楽の序奏に続き、優美なフルートの旋律が加わりそしてハープの調べが寄り添う。
えもいわれぬ天国的な美しさを醸し出し、温かい幸福感に満たされます。

映画「アマデウス」でサリエリが譜面を見ながら我を忘れそうになるシーンで使われて有名になりました。

フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299(297c)/第2楽章 Andante ヘ長調

2014年1月1日水曜日

【謹賀新年】 K.299 フルートとハープのための協奏曲

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

2014年が皆様にとりまして輝かしい年になることをお祈りして「フルートとハープのための協奏曲」をお送りします。

輝くような明るさと気品を兼ね備えた比類なき名曲です。

フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299 /第1楽章 Allegro ハ長調

◆余談◆
元旦の朝、外は雷鳴が轟き、みぞれが降っています。
モーツァルトの曲のイメージとは正反対なあいにくの天気となりました。
この時期、当地・新潟はほぼ毎日このような天気が続きます。太平洋側にお住まいの方には想像できないと思います。
そんな悪天の中、新聞配達の方が分厚い朝刊を届けてくださいました。郵便配達の方も年賀状を届けてくださいました。ご苦労様です。ありがとうございます。
2014年のスタートです。
今日はサッカーの天皇杯を見て、夜はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートです。今年はバレムボイムが指揮ということで、とても楽しみです。チャンネル戦争に敗れる私は別室で孤独に鑑賞する予定です。