2013年8月3日土曜日

K.338 交響曲 第34番 ハ長調 第3楽章

奥只見から望む越後駒ケ岳
モーツァルトにとって故郷ザルツブルクは愛憎半ばする地かも知れません。
そんな故郷で1780年8月に書かれた最後の交響曲がこのK.338です。
作曲の動機ははっきりしていませんが、この後音楽劇「イドメネオ」(K.366)の稽古のためにザルツブルクを離れミュンヘンに向かい、しばらく故郷には帰ってきません。その別れの演奏会のために書かれたともいわれています。
就職活動のためにパリ、マンハイム、ミュンヘンを旅して受けた刺激を反映させて、充実した編成と作曲技法で書かれています。3楽章形式でメヌエットはありません。
ハ長調ということで最後の交響曲「ジュピター」の壮麗さを思い起こさせます。

交響曲 第34番 ハ長調 K.338 第3楽章 Allegro vivace

余談
モーツァルトの交響曲には名前のついたものが結構あります。
31番「パリ」、35番「ハフナー」、36番「リンツ」、38番「プラハ」、そして有名な41番「ジュピター」などです。いずれも名作ですが、名前がないためにあまり知られていないこの34番も実に素晴らしい曲です。
勝手に名付け親をするなら『さよならザルツブルク』。自分を受け入れてくれない閉鎖的な故郷から新天地に向うエネルギーを感じさせてくれます。

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