2014年7月27日日曜日

K.502 ピアノ三重奏曲(第4番)変ロ長調 第1楽章

尾瀬上田代から望む越後の山並み
モーツァルトは6曲のピアノ・トリオを書いていますが、これはその4曲目で1786年11月にウィーンで作曲されました。
モーツァルト円熟期の作品として、このジャンルでは第5番ホ長調 K.542 と並ぶ名作(アインシュタインによれば「このジャンルの最大傑作の2曲」)と高く評価されています。
モーツァルト以後の作曲家もこのジャンルでは多くの作品を残しています。
有名なベートーヴェンの「大公」、ドヴォルザークの「ドゥムキー」などが思い浮かび、室内楽の花形といえます。

ここでは、フォルテピアノに演奏による第1楽章を聴いみます。軽やかなピアノと弦のかけ合いが実に生き生きとしていて、幸福感に包まれます。


ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 K.502/第1楽章 Allegro

コンサート報告
ピアノ・トリオといえば、当地にも非常に優れた演奏を聴かせてくださるトリオ『ベルガルモ』というグループがあります。
なんといってもそのヴィジュアルの美しさと、高い演奏技術で地元ファンを魅了しています。
昨日、その10周年記念演奏会があり、行ってまいりました。
<プログラム>
フンメル作曲 ピアノ三重奏曲 へ長調 op.22
フォーレ作曲 ピアノ三重奏曲 二短調 op.120
チャイコフスキー作曲 ピアノ三重奏曲 イ短調「偉大な芸術家の思い出に」op.50
炎天下にもかかわらず超満員でした。
プログラムも私には大変新鮮で、とても楽しませていただきました。
フンメルはモーツァルトのお弟子さんだそうで、モーツァルトの作品といわれても私にはわかりません。
フォーレはいかにもフランス的でハイセンス!!
チャイコフスキーはとても有名な曲ですが、全曲通して聴いたのは初めてだと思います。長大で深い内容に圧倒されました。

素晴らしい演奏をありがとうございました。
この暑い夏に、クーラーの利いたホールで美人の演奏する室内楽を聴くなんて最高の贅沢をさせていただきました。
いつも良質な演奏会を安価で提供してくださる第四銀行様にも感謝です。

2014年7月21日月曜日

K.334 ディヴェルティメント ニ長調 第3楽章 メヌエット

尾瀬 大江湿原のワタスゲ(6月28日撮影)
この第3楽章は誰もが一度は耳にしたメロディーかと思いますが、『モーツァルトのメヌエット』として広く知られています。
もともメヌエットとはヨーロッパの舞曲のひとつで、4分の3拍子。各小節の1拍目にアクセントが置かれ、比較的ゆったりとしたリズムで優雅に踊られる宮廷舞踊のことをいいました。
バロック時代に独立した楽曲として、また、組曲の1曲として数多く作曲された後、交響曲やソナタの楽章(普通は第3楽章)に取り入れられました。その後、ハイドンやベートーヴェンによってスケルツォが分化していったそうです。
この曲の第5楽章もメヌエットですが、有名なのはこの第3楽章です。


ディヴェルティメント ニ長調 K.334/第3楽章 Menuetto

余談◆ 
この曲は先日のNHK『きらクラ!』にも出題されて、多数の正解が寄せられていました。
ネアピンで「愛の賛歌」が出ていました(笑)。
ところで、友人のローズマリーさんが20日放送の名付け親コーナーで最優秀に選ばれました!!!
ショパンのソナタ第3番 ロ短調 第4楽章 に「若き芸術家の苦悩」という名前が付けられました。
ピッタリの感じです。 最近、ややお笑い系の名づけが多かったのですが、こういう正統派の名前は作曲者にも失礼でなくて好感が持てます。
ローズマリーさんは、何と2回目の受賞です。近々遊びに行って、「ご自愛ステッカー」を拝ませていただきたいと思っております。その節はよろしくお願い申し上げます。
私も「ご自愛ステッカー」ゲットに燃えているのですが、なかなか読まれなくて苦戦しています。
今回のBGM選手権も私には難題です。

K.334 (320b) ディヴェルティメント ニ長調「ロビニッヒ」第1楽章

ワタスゲ(尾瀬 赤田代にて 6月28日撮影)
この曲はモーツァルト一家が親しく交際していたザルツブルクの名門貴族ロビニッヒ家の祝事のために書かれたと推測されています。どのような機会のために作曲されたのかは不明ですが、1780年7月に長男がザルツブルク大学を卒業しているので、そのためではないかと思われています。
このような祝事のための機会音楽としてのディベルティメントは、モーツァルトにとってこれが最後の大作となりました。
作曲された1779年はモーツァルトが失意のパリ=マンハイム旅行から帰ってきた時期で、憂いを帯びた楽章もみうけられます。全体は6楽章で、弦楽5部とホルン2の構成になっています。

ディヴェルティメント ニ長調 K.334/第1楽章 Allegro


写真に寄せて◆ 
有名な尾瀬のミズバショウやニッコウキスゲに比べると、ワタスゲは控えめな存在です。 
この頃(6月末)はミズバショウの時期が終わり、ハイカーも少なく静かな山歩きが楽しめます。 
ワタスゲの柔らかい綿毛に包まれた無数の白い球体が湿原を一面に覆う光景は、私たちを幻想の世界へ誘います。

2014年7月20日日曜日

K.454 ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 第2楽章

タテヤマリンドウ(尾瀬:沼尻平にて6月28日撮影)
K.451と同時期に書かれたこのヴァイオリン・ソナタは、レジーナ・ストリナザッキという当時非凡な演奏能力をもった女流ヴァイオリニストのために書かれました。
そのために「ストリナザッキ」という愛称で呼ばれることもあります。
演奏旅行で各地を回っていたストリナザッキのウィーンでの演奏会は、4月29日ケルトナトーア劇場で皇帝ヨーゼフ2世を迎えて開かれました。
 ピアノはモーツァルト自身でしたが、この時彼が演奏するピアノパートの譜面は書く時間がなかったため、メモ程度のほとんど白紙の楽譜を前にぶっつけ本番で演奏されたといわれています。
モーツァルトの多忙さを物語る逸話です。 それでも演奏会は大成功だったと伝えられています。

ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454/第2楽章 Andante


写真に寄せて◆ 
これも尾瀬に行った時の写真です。 
このタテヤマリンドウはコバイケソウとは対照的に、実に小さくて愛らしい花です。高さは5~10cmくらいで、淡いブルーの花びらが涼感を誘います。
いたところで群生していて心を和ませてくれました。

2014年7月19日土曜日

K.451 ピアノ協奏曲 第16番 二長調 第3楽章

尾瀬 下田代のコバイケソウ (2014.6.28撮影)
このピアノ協奏曲は、モーツァルトがウィーンで多忙な活躍をしていた1784年の3月に自身の私的演奏会のために書かれました。
2本のトランペットとティンパニが加わったことによって、一層のスケール感をもつ作品です。
ニ長調という調性ならではの華麗さと明快な様式美を備えた独自の魅力を感じさせます。
またこの曲はモーツァルトの生前に出版された数少ない作品のひとつです。
この第3楽章は4分の2拍子で、きわめて明快で、独奏ピアノも終始軽やかな旋律を奏でています。

ピアノ協奏曲 二長調 K.451/第3楽章 Allegro di molto

Link >> K.451 第1楽章

写真に寄せて
もう3週間も前ですが、尾瀬ヶ原を歩いた時の写真です。
主役は一面のワタスゲでいたが、その中でとても目を引くのはこのコバイケソウです。背が高くて純白の花を可憐に咲かせていました。別名『貴婦人』とも呼ばれてもいます。ただ毒を持っているので食べることは出来ません。
今頃、尾瀬は主役がニッコウキスゲになっていることでしょう。梅雨が明けたらまた遊びに行きます。

2014年7月11日金曜日

John Lennon / Across the Universe



John Lennon / Acrss the Universe  (arranged by Ken Fujimitsu , played by 1966 Quartet )

Words are flowing out like endless rain into a paper cup,
They slither while they pass they slip away across the universe
Pools of sorrow, waves of joy are drifting through my open mind,
Possessing and caressing me.

Jai Guru De Va Om
Nothing's gonna change my world,
Nothing's gonna change my world.
Nothing's gonna change my world.
Nothing's gonna change my world.

Images of broken light which dance before me like a million eyes
They call me on and on across the universe
Thoughts meander like a restless wind inside a letter box
They tumble blindly as they make their way across the universe

Jai Guru De Va Om
Nothing's gonna change my world,
Nothing's gonna change my world.
Nothing's gonna change my world.
Nothing's gonna change my world.

Sounds of laughter, shades of earth are ringing through my open views
Inciting and inviting me
Limitless, undying love which shines around me like a million suns
And calls me on and on across the universe

Jai Guru De Va Om
Nothing's gonna change my world,
Nothing's gonna change my world.
Nothing's gonna change my world.
Nothing's gonna change my world.

Jai Guru De Va Om
Jai Guru De Va Om
Jai Guru De Va Om
Jai Guru De Va Om

2014年7月7日月曜日

アルヴォ・ペルト作曲 鏡の中の鏡


アルヴォ・ペルト 鏡の中の鏡


楽曲に寄せて
先日のNHK-FM「きらクラ!!」のふかクラで放送されたのを聴いて、深く心を動かされた曲です。
放送ではピアノとチェロ版でしたが、ここではヴァイオリン版を掲載します。
アルヴォ・ペルトは現代の作曲家ですが、このような曲には初めてめぐり合いました。