福寿草(mari-garden) |
今日は引き続き、通称「春」と呼ばれている弦楽四重奏の第3楽章を聴いてみます。
優美でゆったりとしたアンダンテ・カンタービレで、ハ長調で書かれていますが、どこか物憂い雰囲気をもっています。
今までこのジャンルでは第1ヴァイオリンが旋律を奏でて、他の楽器は伴奏に回ることが多かったのですが、この楽章では4本の弦楽器がそれぞれの独立した存在感を示しながら、全体として調和を保っています。慎重な楽想の運びで重厚さをも漂わせている力作です。
弦楽四重奏曲 ト長調 K.387/第3楽章 Andante cantabile ハ長調
◆余談◆
モーツァルトの音楽はすでに彼の頭の中に完璧に描かれていて、その自筆譜は非常にきれいで、書き直したり修正したりした形跡が殆ど残っていないとよく言われます。
しかし、このハイドンセットに関しては何度も何度も手直しをした跡が残っているそうです。それほど彼はハイドンから学んだことを生かし再構築しようとした並々ならない努力があったようです。
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