オスミンに捕えられた4人は太守セリムに突き出されます。
脱出しようとしたコンスタンツェを、セリムは裏切り行為だと激しく非難します。
さらに、太守が過去に自身の地位や財産を奪われた宿敵の子孫がベルモンテであることを知るに至り愕然とします。
追って処分を言い渡すことを告げて、オスミンは一旦退場します。
そして死刑を覚悟したベルモンテとコンスタンツェが歌うのが、このアリアです。
悲劇的な結末を予感させる哀しいアリアです。
「後宮からの逃走」K.384 第3幕 『 なんという運命だ! 』/変ロ長調 Andante(抜粋)
<訳> (小学館 魅惑のオペラ 第17巻より転載)
ベルモンテ(B)
なんという運命だ! 心が痛む!
世の中のすべてが 裏目に出てしまうのか?
コンスタンツェよ 君は僕のせいで死ぬのか! 何ということだ!
コンスタンツェ(K)
どうか自分を責めないで 死が何なの?
死は安息への道よ あなたのそばで死ねるなら 幸福への第一歩でもあるわ。
B 天使のような心よ! なんと優しく善良なのだ!
僕の震える心を慰めてくれる 死への苦痛も和らげてくれる
そんな君を僕は 墓へと引きずり込むのか!
僕のせいで君は死なねばならない! ああコンスタンツェ
君の目を見つめられない 僕が君に死をもたらした!
K ベルモンテ、私のせいであなたを死に追いやった。
私があなたを破滅に追い込んだのよ。
だから私も一緒に死ぬべきなのです!
B&K高貴な心よ、私(僕)は あなた(君)のために生きてきた
それが希望であり力の源だったのです。
あなた(君)がいなければ たとえこの世に生きていても苦しみだけ。
・・・・・・・
◆余談◆
ようやく「後宮からの逃走」もクライマックスを迎えます。
このオペラには21曲の主要な曲(アリアや重唱)がありますが、今回はその中から約半分の曲を取り上げました。この他にも魅力的なアリアが沢山ありますが、容量の関係で割愛させていただきました。
あらためてモーツァルトのオペラを観ると、それぞれの登場人物の生き生きとした的確な音楽表現にただただ魅せられてしまいました。
残念ながら私はまだこのオペラを生で観たことがありません。今度機会があったら是非観劇して、生の音楽に浸りたくなりました。
◆今日の「きらクラ!」◆
先週の余韻の残る中、今日の「きらクラ!」は通常モードに戻り、読者の心温まるおたよりの数々にほっこりしました。
きらクラ!DONで沖縄県のケニーさんが「月の光」が余りに好きで、経験のないピアノに挑戦して、1ケ月かけて楽譜の2頁まで弾けるようになったというお話がありました。私も10年以上前に曲は違いますが、同じようなことをしてましたので、とても共感出来ました。好きな曲を自分で弾いて、その和音を直接体感できる幸せは格別なものです。また再挑戦してみたいと思います。
さらに投稿で、「きらクラ!寿司」のお話は親子でちょっとしたことに楽しみを見つけてらっしゃる微笑ましい光景に心和みました。また、「水上(みなかみ)の音楽」から派生した「雪の古町(降る街)」は私の地元ネタなので大笑い! 楽しい放送でした。
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