場面は移って、太守セリムの館の前で第3幕の開幕です。
ベルモンテたちの脱出計画は実行に移されていきます。
コンスタンツェ、ブロンデの部屋に梯子をかけて順次彼女たちを救出していたら、物音に気付いたオスミンが彼らを見付け、取り押さえてしまいます。
もともと彼らには好意を持ってなかったオスミンは、彼らの悪事を暴き、得意になって勝どきを上げます。
その時に歌われるのがこのアリアです。
オスミンが大声で歌う有名なアリアで、リズミカルで生き生きとした音楽です。
「後宮からの逃走」K.384 第3幕 『 俺が勝ちどきを上げるのは 』/ニ長調 Allegro vivace
<訳> (小学館 魅惑のオペラ 第17巻より転載)
オスミン
俺が勝どきをあげるのは お前たちが処刑場に行く時 縛り首になる時だ!
俺は小躍りして喜びの歌を歌うだろう これで厄介払いできる。
俺が勝どきをあげるのは お前たちが処刑場に行く時 縛り首になる時だ!
お前たちが屋敷のネズミに足音を忍ばせても 俺たちはだまされないからな
俺たちの耳はしっかり聞きつけるぞ 首に縄をかけるぞ。
俺が勝どきをあげるのは お前たちが処刑場に行く時 縛り首になる時だ!
◆余談◆
だいぶ途中を割愛しましたが、もうすぐ白鳥も北国に帰ってしまうので、急いで最後の3幕に行きました。
このオペラではオスミンという役は大活躍します。このアリアも彼の独壇場です。
太守セリムが当時の配役の関係か歌う場面がないために、オスミンの活躍の場が増えたのかもしれませんが、豊かな低音を響かせて愛すべきキャラクターが見事に描かれています。
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