2017年2月27日月曜日

K.384 第2幕 二重唱『 万歳 バッカス! 』

脱出計画を進めるうえで、警備のオスミンは最大の障害となるために、ペドリロはオスミンに眠り薬を入れた酒を飲ませることを計画します。
屋敷の庭でペドリロは酒の瓶を持って楽しそうに騒いでいます。そしてオスミンにも飲ませようと言葉巧みに誘います。
飲酒が禁じられているイスラム教のオスミンですが、誘われて飲みたくてたまりません。そんな場面で歌われるのが、この二重唱です。
管楽器のコミカルなメロディーに乗せて、二人が愉快なやりとりをします。


「後宮からの逃走」K.384 第2幕 『 万歳 バッカス! 』/ハ長調 Allegro

<訳> (小学館 魅惑のオペラ 第17巻より転載)
ペドリロ(P)
   万歳、バッカス! バッカス、万歳!バッカスは偉い男だ!
オスミン(O)
   やってもいいのか? 飲んでみたいがどうしよう?
   アラーの神は見ているかな?
  何をぐずぐずしている? 飲んだらいいさ!
   ためらう必要なんてない!
  よし、飲もう(ワインを飲む)
   とうとう飲んじまった! 酒を飲んじまったよ!
P・Oブロンドでも黒髪でもいい この世の女たちに乾杯だ!
  うまい酒だ!
  これぞ神の飲み物だ!
  ・・・・・・・

 ◆余談・今日の『きらクラ!』 小沢健二さん異次元!!
私は小沢健二さんについては殆んど何も知らない状態で放送を聞かせていただきました。
まず、真理さんとオペラシティでユニークなコンサートをした繋がりで今回の出演になったこと。真理さんとその後も親しいお付き合いしている様子等驚くお話ばかり。
ご自身が作曲する時の音を選ぶシーンを鮮明に記憶していることなど、凄い音楽家でいらっしゃると感じました。生まれながらに持ってらっしゃるDNAの素晴らしさを随所に感じさせるお話の連続でした。

また今回のBGM選手権での小沢さんのコメントは秀逸で、長く記憶に残る歴史的な内容だと思いました。
まずボリス・ヴィアンのこの作品を20年程前に読んで、内容もしっかり記憶されていらっしゃいました。そして作者のヴィアンの作風の背景もよくご存知でした。この小説がお題になっていることを知らずにいらっしゃたのですから、さすがに東大文学部です。
1曲目のシューマン「森の情景」から『寂しい花』では、その花はクロエの肺に蓮の蕾ができる病気の象徴と捉えらえていらっしゃいました。
2曲目の武満徹「3つの映画音楽」から『ワルツ』では、武満さんの「自分の音楽の個性が一番現れるのは、(尺八とか笙などの日本の楽器ではなく)実は西洋音楽の伝統的楽器使った曲を書いた時だ。その時にこそ日本的な空間が現れる。」とのコメントを紹介され、非常に頷いていらっしゃいました。
3曲目はストラヴィンスキー作曲 歌劇「マブラ」より『ロシアの歌』、トミー・ライリーのハーモニカ演奏版。これには、ヴィアンは20世紀中頃のアメリカのジャズやブルースに傾倒していて、このハーモニカの演奏はその雰囲気をよく出していて、素晴らしい選択だと讃えられていらっしゃいました。
4曲目のコープランドの「クラリネット協奏曲」では、アメリカの雰囲気がでていてクラリネットの響きがよくマッチするとおしゃっていました。
ベストは3曲目の大磯町のレコポンカンさんになりました。
4曲ともそれぞれ違った雰囲気を出した素晴らしい選曲で、投稿された方々、選んだコダマッチさんに敬意を表します。そして今回は小沢健二さんの珠玉のコメントが加わり、正に神回といっていいBGM選手権でした。

さらに最後の小沢さんの1曲で、デニス・ジョンソンの「November」というピアノ・ソロの不思議な曲がかかりました。その後のコメントにはさらに驚かされました。小沢さんは音楽の本質的なところを深く理解された素晴らしい方だと感じました。
関係者の皆様、素晴らしい放送を聴かせていただき本当にありがとうございました。

2 件のコメント:

  1. やぱげーの@神戸2017年2月27日 22:30

    こんばんわ、まとめの”余談”ありがとうございます。
    小沢さん、音楽のみならず、文学に対するシャープな感性には驚かされました。
    やはり、武満音楽に対するコメントは、的を得ていると思いました。
     楽しい放送でしたね。

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    1. やぱげーの様、コメントありがとうございます。
      私は全然予備知識がなかったので、放送を聞いて驚きました。さすがに小澤征爾さんの血筋ですね……。並みの方ではない感じです。
      そういう小沢健二さんが真理さんにはYESマンのようで、真理さんの人徳にも改めて感心してしまいました。

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