第2幕の舞台は太守セリムの宮殿の庭園です。
お茶の支度をしているブロンデに、密かに想いを寄せるオスミンが愛を勝ち取ろうと迫りますが、一枚上手のブロンデに軽くいなされ、追い出されてしまいます。
そこへ悲しみ沈んだコンスタンツェが現れ、ブロンデから慰めの言葉をかけられますが、コンスタンツェの心は塞いだままです。
そんなところに太守セリムが現れ、再びコンスタンツェに愛を請います。しかし応じる気配のないコンスタンツェに、セリムは力ずくで愛を奪おうとして、無理やり口づけをします。抵抗できないコンスタンツェは、死ぬ覚悟はできていると毅然として歌うのがこのアリアです。
オーケストラの長い序奏のあと歌が始まり、アレグロ・アッサイに高まったのちに、初めのアレグロに戻り、再びアレグロ・アッサイに入って、コーダで結ばれます。
かなり長く迫力のあるアリアで、コンスタンツェの気概を見事に表現してます。
「後宮からの逃走」K.384 第2幕 『どんな責め苦も受けましょう』/ハ長調 Allegro
<訳> (小学館 魅惑のオペラ 第17巻より転載)
コンスタンツェ
どんな責め苦も受けましょう
どんなつらい拷問でもいい 笑って苦痛に耐えてみせる。
この心を揺るがすものは何もない。
恐れることはただ一つ それは操を失うことだけ。
考え直して 苦しめないで。
そうすればあなたに天の祝福が与えられることでしょう!
決心は変わらないのですね。
ではどんな責め苦も受けましょう どのような苦痛でもいい。
指示すればいいわ 大声をあげて激怒しても
最後には死が私を解放してくれます。
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