コンスタンツェは、悲しみを忘れるためには時間が必要だと言い残して立ち去ります。
太守セリムは心穏やかではありません。意に沿わないコンスタンツェへの苛立ちと愛する気持ちが交差します。
そこへ、ペドリロがベルモンテを連れて現れ、ベルモンテを建築家としてセリムに紹介し、首尾よくセリムの承諾を得て、ベルモンテは屋敷で雇われることになります。
ベルモンテとペドリロが屋敷に入ろうとすると、あの番人のオスミンが立ちはだかります。その場面で歌われのが、この三重唱です。
3人の激しいやり取りが、アレグロ―アレグロ・アッサイの音楽に載せて軽妙に展開されます。
その後、オスミンの隙をみて、二人はなんとか屋敷に侵入することができ、第1幕は終わります。
「後宮からの逃走」K.384 第1幕 三重唱『行け! 行け! 行け!』/ハ短調 Allegro - ハ長調 Allegro assai
<訳> (小学館 魅惑のオペラ 第17巻より転載)
オスミン(O)
行け! 行け! 行け! とっとと消えうせろ!
さもないと 即刻 鞭打ちの刑だぞ!
ベルモンテ(B)とペドリロ(P)
何だと? お前はいったい何様だ、無礼者め!
O 近寄るな。
B&Pドアの前を空けるんだ。
O 近寄るな。
B&P中に入れろ!
O 殴るぞ!
B&P中に入るぞ
O うせろ! 殴るぞ!
B&P中に入るぞ
O とっとと消えうせろ! 一発殴るぞ!
B&Pさっさと、どけ! 我々を中に入れるんだ!
O 行け! 行け! 行け! とっとと消えうせろ!
さもないと 即刻 鞭打ちの刑だぞ!
とっとと消えうせろ! 一発殴るぞ!
B&P我々を中に入れるんだ! お前はいったい何様だ、無礼者め!
さっさと、どけ! 中に入るぞ! 入るぞ! そこを、どけ!
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