ファゴットという楽器は、どこかユーモラスで暖かい響きをもっていて、オーケストラの中でも独自の存在感を放っています。
モーツァルトはこのファゴットのために5曲もの協奏曲を書いた可能性があるそうですが、残念ながら現存しているのはこの1曲のみです。
1774年6月にザルツブルク大司教に雇われたファゴット奏者のために書かれたと思われます。モーツァルトが宮廷音楽家として生活し始めた時期でもあり、ギャラントな作風になっています。
この作品は、ファゴットという音域と音量に限界がある楽器の欠点を補う、音色の豊かさ、ユーモア、幅広い音程跳躍などの特質をモーツァルトが熟知し、見事に引き出した名曲として愛され、数少ないこの分野の最高傑作に数えられています。
ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191(186e)/第1楽章 Allegro
<写真>ザルツブルク 旧市街 広場の大道芸人?(2017年9月)
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