モーツァルトは2台のピアノのためのソナタを何曲か手掛けましたが、完成したのは意外にもこのK.448の1曲のみです。(他は未完成の断片として数曲が残っています。)
作曲されたのは1781年の11月頃で、例の弟子のアウエルンハンマー嬢とのプライベートの演奏会のために書かれました。その演奏会は大成功で、この曲は評判がよく、繰り返して弾いたと、モーツァルトは父親宛ての手紙で報告しています。
実際この曲はその後、何度も演奏会で取り上げられることになったようです。
2台のピアノのためのソナタは、特定のピアニストや演奏会を想定して作曲されていたようで、この曲も当然アウエルンハンマー嬢の力量を十分考慮して作られているものと思われます。
また、この曲は映画「のだめカンタービレ」でも取り上げられて、のだめと千秋の丁々発止のピアノの掛け合いが印象的なシーンを展開していました。
2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448(375a)/第1楽章 Allegro con spirito
<写真>新潟市北区福島潟の菜の花畑とニ王子岳・飯豊連峰の遠景(4月6日撮影)
◆余談◆
この曲が作曲された頃は、現代のピアノの前身であったフォルテ・ピアノがどんどん進化しているまっただ中で、その最新の楽器の性能をモーツァルトは敏感に感じ取って、曲作りに反映させていたようです。
当時のフォルテ・ピアノでこの曲を演奏したものを私は聴いたことがありませんが、いずれ機会をみて聴いてみたいと思っています。きっと現代のピアノとは随分違った雰囲気になるように思います。
■フォルテ・ピアノでの演奏■
ネットで探していたら、YouTubeにフォルテ・ピアノでの演奏がアップされてました。
やはり響きがソフトで親しみやすい感じの演奏になっているように思います。
Link ▶▶ K. 448 - (I) Allegro con spirito played by two fortepianos
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