1771年から72年にかけての8つの交響曲の連作の最後の曲を聴いてみます。
この第21番 K.134 は弦楽と管楽器はフルート2、ホルン2の編成になっています。18番以降は管楽器の組み合わせをそれぞれ変えていて、作品の響きに特徴を持たせています。
この第1楽章は3/4拍子をとることによって、一般的な行進曲風や4/4拍子の開始とは違う新鮮な印象を与えています。またモーツァルトとしては珍しい単一主題的なソナタ形式をとっていて、最後には18小節のコーダを置いています。
連作の中で多様な作風を披露することで、新大司教にアピールしたのではないかと推測されますが、ちょうどこの頃、1772年8月21日付で宮廷の訓令があり、モーツァルトは宮廷楽団の無給の名誉職から、有給のコンツェルトマイスターに昇格し、年給150グルデンが支給されることとなります。
交響曲(第21番)イ長調 K.134/第1楽章 Allegro
<写真>ザルツブルク ヘルブルン宮殿
◆余談◆
モーツァルトの交響曲は番号があるのは41番のジュピターまでですが、実際は50曲以上の交響曲を書いています。
同様に多作であったハイドンは約40年間で104曲の交響曲を残しています。
モーツァルトは9歳で無邪気な交響曲を書いてから25年後に39番、40番ト短調、41番「ジュピター」を完成させますが、その密度の濃い飛躍的な成熟のありさまは、ハイドンの40年間とは対照的な急峻な道のりであったように思われます。
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