1772年10月にモーツァルト父子は第3回のイタリア旅行に出かけ、ミラノに滞在します。
この時期に6曲(K.155~K.160)からなる弦楽四重奏曲を連作します。そしてこの曲集は1冊の自筆譜にまとめられてあることから「ミラノ四重奏曲集」と呼ばれています。
父親のザルツブルク宛ての手紙では「退屈しのぎに書いた」ものになっていますが、16歳のモーツァルトが様々な音楽的な可能性を試みているように思われます。
この曲集は全て3楽章構成で、この「変ロ長調」は連作の5作目にあたり、唯一緩徐楽章から始まります。
ここで聴く第1楽章は、第2ヴァイオリンが奏でる気品のある主題で始まり、ゆったりと歌うように流れる曲想がとても印象的です。
弦楽四重奏曲(第6番)変ロ長調 K.159/第1楽章 Andante
<写真>オーストリア ハルシュタット湖の水鳥たち
◆余談◆今日の「きらクラ!」
大型台風の接近で、放送途中に時々避難情報が入ったりして、ちょっと落ち着かない回になりました。最後のふかわさんの1曲で、モーツァルトの「音楽の冗談 K.522」の第4楽章が流れて、思わずニヤニヤしてしまいました。
実に遊び心に溢れたモーツァルトならではの作品で、いつかはこのブログでも取り上げるつもりです。
このように冗談で作った作品が、230年経った今でも真面目に演奏され愛されているということは、ただただモーツァルトの偉大さのなせることだと思います。普通の作曲家がこの曲を書いたとしても決して歴史には残らなかったと思います。
蛇足ですが、同じような事をビートルズの作品でも感じます。彼らは名曲も沢山残していますが、どうにも遊びまくった冗談のような曲も結構残していて、聴く者の心をほぐしてくれます。
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