モーツァルトはフリーメイソンに1784年12月に入会しましたが、その翌年の1785年には多くのフリーメイソンに関わる曲を書きました。この曲もその一つで、1785年12月の作品です。
この頃皇帝ヨーゼフ2世は、当初彼の国家統治にとってフリーメイソンは有益な組織と考えていましたが、次第に皇帝に敵対する組織になりかねないという危惧から、ウィーンに8つあったロッジを3つに再編成し、政府の監視下におくことにしました。
そのためモーツァルトの属していたロッジも「新桂冠希望団」に組織替えされ、その新ロッジの儀式のためにこの曲は書かれました。モーツァルトの本心は別として、皇帝の意図に沿う内容になっています。
テノールの独唱に、男声3部合唱がリフレインされて、オルガンの伴奏が付きます。
【歌詞大意】
親しき友よ、今日こそ歓喜の歌を歌おう
ヨーゼフの善行は胸に3つの炎を燃やす者たちに
我等の希望の冠を新たに飾る。
ヨーゼフのために賛歌を歌おう。
善行は麗しき義務なり・・・・・
(作詞:シットラースベルク、訳詞:東京書籍「モーツァルト事典」より引用))
合唱つき歌曲「親しき友よ、今日こそ」 K.483 Andante 変ロ長調 2/2
◆余談
◆今週の「
きらクラ!」
感動のBGM選手権
久々のBGM選手権でしたが、私は詩のイメージに合う曲が思い浮かばず早々に撤退。皆様の投稿を興味津津で聴かせていただきましが、目の覚めるような強烈な刺激を受けました。
第1曲:(ジャック天野さん選)
マレ作曲「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」
初めて聴く曲でした。選者は10回以上採用されてらっしゃる常連さん。この曲をもってこれる守備範囲の広さに脱帽。チェンバロの音と規則的なメロディーが詩のイメージにピッタリ!!
第2曲:(夜半亭あぶらー虫さん選)
ベートーベン作曲「交響曲第5番 第1楽章」
この超有名曲をこの詩に・・・・素晴らしいセンス!! 詩と曲が合体した時の衝撃度はメガトン級。そしてプレゼンの文章も素晴らしい!! 圧倒されました。
第3曲:(ブルサムヴィッチさん選・・・どなたかの別ラジネ?)
アルビノーニ作曲「アダージョ」
これも有名曲ですが、美しくも陰鬱なメロディーが悩める青年期のうごめくような心情を見事に表現していて、これまた秀逸な作品。
第4曲:(ぼたもち大好きさん選・・・快調家族さんの別ラジネ)
J.シュトラウス2世作曲 ワルツ「ミルテの花」
爆笑路線炸裂!! あのお題をここまで発想を広げられる柔軟さに感激!! 流石に超常連の快調家族さん!! 先週は驚異の3本同時採用。そして今週はニアピンとBGM、そしてラジネコールに採用!! やはりその投稿のクオリティーの高さが抜きん出ていて、ディレクターさん(今回は“ひょりはん”)の目に留まるんでしょうね―。
4作品ともそれぞれ全く別の視点に立った個性豊かで意外性に溢れた、どれもベストに値するものでした。今年はスペシャルがなかった分、BGM選手権ファンの情熱が結実したような記憶に残る回だと感じました。本当に素晴らしい投稿をありがとうございました。