2018年11月7日水曜日

K.deest「後宮からの逃走」からのハルモニームジーク-1

1784年の11月17日に名作オペラ「後宮からの逃走」がザルツブルクで初演されました。ウィーンで大成功を収めているモーツァルトにとっては、故郷に錦を飾るイベントであったといえるでしょう。
今日はちょっと寄り道をして、このオペラの管楽合奏版を聴いてみます。
この頃のウィーンでは、人気オペラが管楽合奏用に編曲されることが流行していて、この作品もその中のひとつです。この他にもヴェントが手掛けた2つの「後宮からの逃走」編曲稿があります。
この作品にケッヘル番号が付いていない(deest)のは、モーツァルトの作とは考えられていなかったためですが、最近モーツァルト自身の筆によるものだという説が提起されましたが、真相はわかっていません。
楽器編成はオーボエ、クラニネット、ホルン、ファゴット各2本で、軽妙洒脱な旋律が生き生きと演奏されていて、心地よい音楽となっています。今日はまずその中の「序曲」を聴いてみます。

「後宮からの逃走」からのハルモニームジーク/序曲
 Link >> 劇場演奏版

<写真>新潟県村杉温泉「長生館」の庭園にて

余談
モーツァルトの時代の人々にとって、人気オペラの旋律を、このような形の管楽合奏に編曲したものを、演奏したり聴いたりすることは、身近で気軽な楽しみ方だったことでしょう。
現代のようにいつでもどこでも簡単に再生出来る時代と違って、手間暇のかかるぶん、音楽をいとおしむ気持ちは強かったのではないかと思います。

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