瓢湖から望む飯豊連峰 |
18世紀に数多く作曲されたオペラの中で、現在でも上演されるのはモーツァルトの他にはほとんど見当たりません。それほど時代を超えて支持されるのは、モーツァルトの音楽の素晴らしさにほかありません。
この作品の原作はフランスの劇作家ボーマルシェが1784年に書いた風刺的な戯曲ですが、内容がフランス革命の発端となったといわれるほど体制批判的だったため、台本の段階でイタリア人作家ロレンツォ・ダ・ポンテが問題のある部分を割愛して、オペラ・ブッファ(喜劇的要素の入ったオペラ)の形にして上演にこぎつけました。
初演は1786年5月1日、ウィーンのブルク劇場で行われました。序曲と4幕28曲からなり、上演時間はおおよそ3時間です。
この序曲は開演前の高揚感をかきたてる傑作中の傑作で、単独でもよく演奏されます。
歌劇「フィガロの結婚」K.492 序曲
◆余談◆
この拙いブログを始めてから3年、ようやくモーツァルトのオペラを取り上げます。
モーツァルトの音楽は器楽曲だけでも十二分に素晴らしいのですが、オペラはさらにストーリーと舞台効果が加わりその魅力は倍増されます。
私がオペラを生で鑑賞したのは20年ほど前のこの「フィガロの結婚」が初めてでした。
クラシック音楽とは無縁の環境で育った私にとってオペラなんて別世界の事柄でした。20歳代でモーツァルトの音楽が大好きになり数多くの楽曲に接して心酔しましたが、オペラは言葉の壁もあり敷居の高いものでした。しかし色々なモーツァルト関連書籍を読むと、どれも異口同音にモーツァルトのオペラの素晴らしを讃えていました。そして遅ればせながら私もようやく生で鑑賞する機会をもって心から納得しました。
オペラで繰り広げられる多様な人間関係、ひとりひとりの感情の機微にモーツァルトの音楽がぴったり寄り添い、実に色彩豊かな世界を展開していました。言葉と音楽がこれほどまでに美しく生き生きと表現される世界を初めてまのあたりにした思いでした。 それ以来、近くに興行が来ると欠かさず足を運んでいます。
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