伯爵はスザンナと秘かに会えるのを楽しみにやってきます。
そして、スザンナの服を着た伯爵夫人をスザンナと勘違いして、甘い言葉をささやくのです。
これで動かぬ浮気の証拠が押さえられてしまいました。伯爵夫人は何も知らない伯爵に正体を明かします。スザンナと思って近寄った伯爵は、実はそれが自分の妻だったことを知って驚きます。
深く反省した伯爵のことを、夫人は温かく許してあげたのでした。
めでたし、めでたしでフィナーレを迎えます。
「フィガロの結婚」K.492 第4幕『フィナーレ』
<訳> (小学館 魅惑のオペラ 01巻より転載)
(前半略)
伯爵 伯爵夫人よ、許してくれ!
伯爵夫人 私はあなたより素直ですから、はい・・・と申します。
全員 これで、みんな満足でしょう
苦痛と気まぐれで過ごした今日一日
喜びと満足で締めくくるのは ただ愛だけだ!
花嫁花婿・・・友達も
みんな楽しく踊り、花火を上げよう!
楽しい音楽に合わせて みんなで祝いに急ぎましょう。
◆余談◆
かなり簡略化した形ですが、なんとかフィナーレにこぎ着けました。
今回、改めてDVDを見たり関係書籍を読んでみて、このオペラのストーリーは人間関係が複雑にからんで、1度観ただけではなかなか理解出来ないのではないかと思いました。
物語は喜劇的ですが、権力に対する批判精神や、人間の心の深淵に触れる内容で、何回観ても飽きません。
それもこれもモーツァルトの素晴らしい音楽があればこそです。彼の音楽はどんな場面でも、その根底に人間への慈しみと愛にあふれています。台詞のひとつひとつが極上のハーモニーと旋律に乗って、私たちをこの上ない幸福感に包んでくれます。これからもずーっと愛され続けていくことでしょう。
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