様々な登場人物の複雑な思惑がからんだ、ドタバタで第2幕が終わって、舞台は伯爵家の居間です。
伯爵夫人との画策を進めるスザンナが現れ、伯爵に気のある素振りを見せます。
機嫌をなおした伯爵でしたが、スザンナが帰り際にフィガロにささやいた一言を耳にして、自分はだまされているのではないかと疑心暗鬼になって歌うアリアです。
傲慢身勝手な伯爵の本音をさらけ出した場面です。
「フィガロの結婚」K.492 第3幕 『もう訴訟に勝っただと』 マエストーソ 4分の4拍子 ハ長調
<訳> (小学館 魅惑のオペラ 01巻より転載)
アルマヴィーヴァ
わしがため息をついている間に 召し使いが幸福を得ていいのか?
わしが望んでかなわぬものを 召し使いが手に入れていいのか?
わしに愛を目覚めさせておきながら わしを愛するでもなく
あんな男と結ばれるのを 黙って眺めていてもいいのか?
こんなことでいいのか?
このまま安心させておくものか このまま満足させておくものか
許せない 向こう見ずな奴!
言語道断だ、主人を笑いものにするとは。
わしの楽しみといったら 仕返しをすることだけ
復讐こそが 残されて楽しみだ。
◆余談◆
いつの時代も、権力者というのは傲慢身勝手になりがちなのでしょうが、このアリアも伯爵のエゴ全開です。
今の時代にこんなこと言ったのが明るみに出たら、パワハラ、セクハラで一発失脚間違いなしです。
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