2013年6月26日水曜日

K.397 幻想曲 ニ短調

モーツァルトはピアノのためにソナタの他、変奏曲や幻想曲をいくつか書いています。
幻想曲は即興的な楽想を随所にもち、自由な構成で、テンポや調性を変動させるなどの特徴があるそうです。

このニ短調は自筆譜がないため、謎の多い作品です。作曲の動機や時期は不明なのだそうですが、一般的1782年に成立とされているようです。
短調の哀愁を帯びた旋律でとても人気の高い作品です。
おもしろいのは後半のアレグレット(4分の2拍子)の明るい曲想が唐突に現れるところです。アインシュタインは「最も高い意味で子供らしい、あるいは天国的」と評しています。
短調の非常に沈んだ曲の中でも、それに埋没せずにどこか客観視して『なんちゃってね!』とほほ笑んでいるモーツァルトの顔が私には浮かびます。

幻想曲 二短調 K.397

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