2014年11月29日土曜日

K.581 クラリネット五重奏曲 イ長調 第4楽章

第4楽章はアレグレット・コン・ヴァリアツィオート イ長調 2分の2拍子。
主題と6つの変奏で構成されています。
明快な主題ののちに、弦によって奏される主題をクラリネットが伸びやかに彩る変奏Ⅰに始まって、変奏Ⅵ(コーダ)まで、バリエーション豊かな室内楽の楽しさを満喫させてくれます。


クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581/第4楽章 Allegretto con variazioni イ長調

余談
この名曲が作られたのは、フランス革命の年1789年です。
この時期のモーツァルトは経済的に非常に困窮していました。ウィーンでの人気が凋落し、収入の道が途絶えつつあり、さらに妻コンスタンツェの療養に多額の費用がかかりました。友人に借金を懇願する手紙を多数書いています。
時代の寵児として活躍をし、経済的にも非常に豊かだったつい数年前がうそのような状況でした。
そんなの中で、モーツァルトは残りの人生2年あまりの間に、比類なき名曲の数々を私たちに残してから天に召されていきました。

2014年11月22日土曜日

K.581 クラリネット五重奏曲 イ長調 第3楽章

弥彦公園の紅葉
穏やかな晩秋の週末です。
そろそろ車のタイヤを冬用に取替える時期ですが、今年はまだ大丈夫なようです。
先日近所の弥彦神社を訪れて、紅葉を楽しんできました。かなり葉も落ちていいて、冬の訪れを感じさせていました。 
毎年この時期になると必ずこのクラリネット五重奏曲を聴きたくなります。
第1楽章第2楽章は以前掲載しましたので、今日は第3楽章のメヌエットを聴いてみます。
この楽章は2つのトリオを有しています。 トリオⅠ(イ短調)では弦楽器のみ、トリオⅡ(イ長調)ではクラリネットが主体となっています。


クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581/第3楽章 Menuetto イ長調

余談
この師走を迎えるあわただしい時期に選挙が始ってしまいました。「なんで今???」と思ってしまいます。

2014年11月9日日曜日

K.428 弦楽四重奏曲(第16番)変ホ長調 第4楽章

沼尻平より望む燧ケ岳
最終第4楽章は アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調 2/4拍子。
専門家によると、pで始る第1主題はハイドン的なリズムで、応答句はいっそうハイドン的だそうです。 ハイドンの弦楽四重奏はあまり聴いたことがないので比較できませんが、モーツァルトがハイドンの手法を学びながら、独自の音楽を形成していったもののようです。


弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K.428/第4楽章 Allegro vivace 変ロ長調

余談
ようやく1ケ月前の尾瀬の写真を掲載することが出来ました。 今はもう小屋の営業も終わり、訪れる人はまばらで、尾瀬は冬に向って静かな佇まいでいることでしょう。 また長い冬を越して、来年の春にはこの湿原を訪ねさせていただきますが、その時もよろしくお願いします。それまでしばしのお別れです。

K.428 弦楽四重奏曲 (第16番) 変ホ長調 第3楽章

尾瀬 オンダシより望む尾瀬沼 2014.10.11
第3楽章はメヌエット アレグロ 3/4拍子。
冒頭の全音階的で力強いメヌエットは、静かな前楽章とは対照的です。
トリオは変ロ長調ですが、ハ短調で始められ、メヌエットと対比されています。
全体的に牧歌的な舞踏の雰囲気を感じさせます。


弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K.428/第3楽章 Menuetto : Allegro 変ホ長調

余談
昨夜から突然このblogspot系のサイトにアクセスできなくなってしまいましたが、ようやく回復したようです。 何が起こったのでしょうか? google様には無料で使わせていただいているのであまり苦情を言える立場ではないのですが、ITの世界は素人の私には及びもつかない複雑なもののようです。

2014年11月2日日曜日

K.428 弦楽四重奏曲(第16番)変ホ長調 第2楽章

尾瀬 大江湿原 2014.10.11
第2楽章はアンダンテ・コン・モート。
この楽章では旋律的な表現が抑えられ、深い静けさをたたえたコラール風の和声が表現の主体になっています。
このような形式はモーツァルトの緩徐楽章ではかってみられなかったもので、ロマン派の半音階的和声法を予感させるものになっているそうです。
晩秋の雰囲気にとても似つかわしい響きです。


弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K.428/第2楽章 Andante con moto 変イ長調

余談
今日の「きらクラ!」もとても楽しく聴かせてもらいました。
最近のリスナーの投稿は素晴らしいものが多くすごく心を動かされています。
先週の手術中に聴こえたモーツァルトのクラリネット協奏曲のお話。そして今日の高校に新卒赴任された音楽の先生との交流のお話。ふかわさんではないですが、映画を見ているような気持ちになりました。
そのような感動的なお話とは対照的な「空耳クラシック」の抱腹絶倒など、実にバラエティに富んだ素晴らしい音楽番組に発展しているように感じます。これからもずっと応援して行きます!!
ところで今週のきらクラDON! は私にとってはとても思い出深い曲なので、だめもとで投稿してみようと思っています。コダマッチ様どうか採用してくださいね!!

K.428 (421b) 弦楽四重奏曲(第16番)変ホ長調 第1楽章

尾瀬 大江湿原 2014.10.11
美しい紅葉のたよりが各地から届いています。
当地もいちょうやもみじが美しく街路を彩っています。落ち着いた室内楽が聴きたい今日この頃です。

モーツァルトがハイドンに進呈した弦楽四重奏曲の第3曲目を聴いてみます。
このいわゆる「ハイドンセット」といれる6曲の中で、名前のあるのはト長調「春」、変ロ長調「狩」、ハ長調「不協和音」の3曲です。その中でこの変ホ長調は比較的地味な存在ですが、どことなくいいようのない愁いを帯びた奥深い世界が広がっています。1783年の6月頃、モーツァルト27歳の円熟期にウィーンで作曲されています。
愁いを感じさせる半音階的なユニゾンで始まり、その後第1主題が謳われます。


弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K.428 (421b)/第1楽章 Allegro ma non troppo

写真に寄せて
もう随分前の写真ですが、雲ひとつない好天に恵まれた10月11日の尾瀬の風景です。この大江湿原のあたりは標高が1700mくらいあり、季節が平地より1ケ月くらい早くなっています。
抜けるような青空のもと、一面の草紅葉が美しく輝いていました。