2018年2月6日火曜日

K.399(385i) ピアノのための組曲 ハ長調

この時期(1782年)、モーツァルトはスヴィーテン男爵(当時48歳)との出会いにより、バッハ、ヘンデルなどのバロック音楽を知り、大きな影響を受けたといわれています。
スヴィーテン男爵は外交官として外国に赴任中に、バロック音楽の楽譜収集に熱中し、とりわけ最後の赴任地であったベルリンではバッハの貴重な楽譜を入手したそうです。そしてウィーン帰郷後に、毎日曜日の私的演奏会でそれらの作品を演奏していたそうです。
その会に参加していたモーツァルトは父宛の手紙に・・・
『ぼくは毎日曜日の12時に、スヴィーテン男爵のところへ行きますが、そこではヘンデルとバッハ以外のものは何も演奏されません。
僕は今、バッハのフーガの蒐集をしています。ゼバスティアンのだけではなくエマーヌエルやフリーデマン・バッハのも。それからヘンデルのも。・・・』(岩波書店「モーツァルトの手紙(下)P54)と書いてあり、モーツァルトが熱心に研究していた様子がうかがえます。
そしてそれらの研究の成果として何曲かの作品がありますが、何故か未完のものが多く、この組曲も4曲目のサラバンドの途中で終わっていますが、ここでは2曲目のアルマンドを聴いてみます。知らないで聴くとバッハの作品かと思ってしまいます。


ピアノのための組曲 ハ長調 K.399(385i)/2 アルマンド Andante ハ短調

<写真>新潟市:りゅーとぴあ周辺の雪景色

余談
モーツァルトにとってもバッハの音楽は大きな指針であり、彼の作品をより豊かにしたインスピレーションの源泉のひとつであったことは間違いないと思われます。
タイプとしては全く異なったイメージがありますが、その二人の創り出した音楽は、光り輝く偉大な双璧として私たちを魅了し続けます。
ある音楽家が『音楽の世界で、最も高い山はバッハである。そして最も美しい山はモーツァルトである』と言っていましたが、言い得て妙です。

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