2019年2月7日木曜日

K.486 ジングシュピール「劇場支配人」/序曲

前回より1786年(モーツァルト30歳)の作品を聴いてます。
この年の最も大きな仕事は『フィガロの結婚』で、前年末から作曲に取り掛かっていました。
そんな忙しい中、オランダ総督ザクセン=ティシェン夫妻がウィーンを訪問することになりました。総督の奥さんは皇帝ヨーゼフ2世の妹にあたり、皇帝は妹夫妻を歓待する企画を練り、その一つとして、当時ウィーンでいちばん人気のあったサリエリとモーツァルトにそれぞれオペラを書かせて、それをシェーンブルン宮廷で上演することにしました。
皇帝の依頼とあってモーツァルトも断るわけにはいかず、1月から2月初めにかけて作曲しました。
台本は「後宮からの逃走」を書いたゴットリープ・シュテファニーで、話の筋はごく単純で、全1幕10場からなり、曲はこの序曲を入れて5曲しかありません。音楽以外の部分は殆んど台詞で語られていて、内容が退屈なのか、現在、全部の台詞を含めたレコード・CDは見当たらないようです。
ここで聴く序曲は、現在でも単独でよく演奏されている人気曲です。
明るく快活なハ長調 プレストで、厳格なソナタ形式で書かれていて、こうした劇の序曲としては規模が大きく、立派な構成になっています。


ジングシュピール「劇場支配人」 K.486/序曲 Presto ハ長調
【あらすじ】
劇場支配人は新しい劇団を結成しようと団員を募集する。
しかし応募してきた歌手や役者たちは、それぞれ自分が優れていることを主張し、給料のことで言い争いになるので、支配人は募集を中止すると言い出す。
困った一同は、今度は支配人の条件を飲んで、めでたく一座が誕生する。
(東京書籍「モーツァルト事典」より引用)
<写真>シェーンブルン宮殿/ウィーン

2 件のコメント:

  1. 私もこの序曲は大好きです。
    いろんな名演ありますが、個人的にはアーノンクール/コンセルトヘボウの演奏がドラマチックで好きですね。

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    1. Hummel Noteさん、コメントありがとうございます。
      私の稚拙なブログにお越しいただき恐縮です。
      本格的に音楽をなさっている方からすると、物足りない内容でしょうが、ボチボチ更新しますので、よろしくお願いします。

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