2015年2月15日日曜日

K.504 交響曲(第38番)ニ長調 「プラハ」第1楽章

弥彦山頂より望む新潟市街
「フィガロの結婚」の大成功によってプラハに招かれたモーツァルトが、彼自身の指揮によって1787年1月19日プラハの国民劇場で初演されたため、この交響曲は「プラハ」と呼ばれています。
作曲されたのは1986年12月6日で、メヌエット楽章のない3楽章形式になっています。
この第1楽章は36小節に及ぶ壮麗で堂々とした序奏に始まり、緊張を解放するような柔らかな弦の旋律から主要部分が展開していきます。緻密なオーケストレーションでフィガロのモチーフも織り交ぜながら、聴く者の心を一時も離さない見事な音楽を展開しています。
今日はホグウッドの指揮による古楽器の演奏で聴いてみます。音の細部まで透けるようなシャープな演奏で、大編成での重厚な演奏とは一線を画しています。


交響曲ニ長調 「プラハ」K.504/第1楽章 Adagio - Allegro/Christopher Hogwood con. The Academy of Ancient Music

モーツァルトの4大交響曲
8歳の時に作曲された第1番ら始まって、多くの交響曲を残したモーツァルトでしたが、この「プラハ」は彼の交響曲の作品群の頂点を形成するものだと思います。
前作の36番「リンツ交響曲」のあと3年余の空白期を経て書かれましたが、もはや完成への途上にある作品ではなく、それは1年数ヵ月後に書かれるいわゆる3大交響曲に比肩する高みに達していて、この作品も含めて4大交響曲と呼ぶのがふさわしいと思います。
モーツァルトの時代の演奏会の前座的な役割だった交響曲が、深い芸術的な主要ジャンルへ跳躍的に高まった記念碑的な作品だといえます。
私はピアノ協奏曲のジャンルでは1785年のニ短調 K.466にも同じような跳躍を感じます。
1785年から86年はモーツァルトの生涯にとっても分岐点となった年のようです。

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