2015年2月28日土曜日

K.504 交響曲(第38番)ニ長調 「プラハ」第3楽章

弥彦山頂より望む粟ケ岳方面(2015.2.21)
メヌエットがないので、この楽章が終楽章となります。 プレスト、4分の2拍子でとてもきびきびした音楽になっています。
冒頭のモティーフは『フィガロの結婚』のスザンナとケルビーノの二重唱「早く開けて」と同じで、フィガロの成功の余韻を感じさせ、華やかなフィナーレへと向かっていきます。


交響曲ニ長調 「プラハ」K.504/第3楽章 Presto ニ長調/Christopher Hogwood con. The Academy of Ancient Music

余談
プラハでの『フィガロ』の成功を受けて、モーツァルトは「識者と愛好家の会」から招待され、妻コンスタンツェと義兄を連れだって1787年1月11日にプラハを訪れています。1月15日にウィーンの友人への手紙で次のように書いています。
『じっさいここでは「フィーガロ」の話でもちきりで、弾くのも、吹くのも、歌や口笛も、「フィーガロ」ばっかり、「フィーガロ」の他はだれもオペラを観に行かず、明けても暮れても「フィーガロ」「フィーガロ」だ。』
このような状況の中で、モーツァルト自身の指揮で初演されたこの交響曲はプラハの市民にどのように受け入れられたのでしょうか? 確かな記録は残っていないそうですが、おそらく熱狂的な盛り上がりであったことが想像されます。彼にとって絶頂期といっていいでしょう。

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