2018年3月19日月曜日

K.386 ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調

この曲の自筆譜は、モーツァルトの死後、1799年に妻のコンスタンチェによって、他の多くの自筆譜と一緒に出版社に売却されました。その際この曲の最後の1枚が欠けていたため、この曲はさらに転売を繰り返され、散逸してしまう運命を辿ります。
その後、近年まで何人かの研究者の努力によって再収集され、そして再現され現在の形で演奏されています。
このように、モーツァルトの自筆譜の中には、部分的に散在していたり、散逸しているものも少なくありません。この曲のように幸い再収集・再現されたものもあれば、失われてしまったものもあります。
このロンドは1782年に、本来はピアノ協奏曲第12番 K.414(385b)の終楽章として書かれていたと思われますが、途中で放棄されてしまった草稿、または代用楽章と考えられています。確かに K.414の主題との共通点があります。
アレグレット、4分の2拍子で、軽快なピアノのメロディーとオーケストラの明るい音色の協演が、心地よく響きます。フォルテピアノの演奏で聴いてみます。


ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K.386 /Allegretto

<写真>ヴァッハウ渓谷 デュルシュタインにて

余談今日の「きらクラ!
「びっくりシンフォニー」の投稿(同郷の≪調子のよい鍛冶屋のせがれさん≫)がふかわさんに大受け!!放送事故級の涙の大笑いを誘いました。私も小学校の時に似たような音楽の黒歴史があり、つられて大笑いしてしまいました。
「はじクラ」ではジョージ・ウィンストンの演奏が流れました。ジャズとクラシックが上品に融合されていて、とても心地よく聞かせていただきました。
そして、BGM選手権のお題が発表されました。当然のドビュッシーからの選曲となりますが、ドビュッシーの曲はBGM選手権で最も採用の多い作曲家のような気がします。今回のお題には私も久しぶりにボツ覚悟でトライしてみますが、どの曲をあててもそれなりに収まり、なかなか個性を出しにくく、ドビュッシーの作品数を考えると、選曲が他の投稿者と大いにかぶりそうな気がします。

7 件のコメント:

  1. 今回の「きらクラ!!DON」で紹介された、神戸市・いしりんさん(私が勝手に名付けたMr.BGMこと「やぱげーの」さんのこれまた別名)の投稿を聞いて、私は目頭が熱くなりました。
    バーンスタインと同じ生年で、7回忌を迎えられた御父様の想い出を淡々と綴る味わい深い内容でした。
    御父様の実直で飾らないお人柄の描写に、自分の父親の姿が重なり、埋もれていた記憶が堰を切ったように甦りました。

    私の父は大正14年生まれ。学校では成績優秀だったようですが、家庭の経済事情で進学を諦め、義務教育を終えると軍隊に入隊し、東南アジアで辛酸をなめたと耳にしましたが、父がその事を直に私に話すことはありませんでした。
    帰国後、東京の大きな企業に勤め真面目に働いたようですが、大組織は父に向かなかったようで、一念発起して当地で小さな会社を立ち上げました。
    それからというもの、母と共に夜昼なく必死で働き、ゼロから開拓したお客様の信用を少しつづ積み重ね、堅実に経営を続けてきました。そんな仕事の疲れを癒してくれる晩酌は父の唯一の楽しみでした。

    私は親の苦労も知らず、小学校の頃かなりの問題児で、何度も学校から呼び出しが来ました。その度に父から強く叱責され、家から出された事もありました。
    そんな私も、中学・高校と進むにつれて大人しくなり、父のゲンコツを貰うこともなくなりましたが、その分会話の機会もめっきり少なくなりました。
    様々な確執がありましたが、結果的に父の会社を引き継いだ私は、その基盤の上で仕事が出来ましたら、有り難いことでした。営業に回ってお客様から「お父様には本当にお世話になりました。宜しくお伝えください。」と言われる度に親のありがたさが身に染みました。
    そんな父がある日、あれだけ楽しみにしていた晩酌をしなくなってしまいました。これはただ事ではないと、慌てて病院に連れて行きましたが、既に手遅れの病魔に冒されていました。

    父が亡くなってから、今年で20年が経ちます。
    その後、私共の業界には冬の時代が到来しました。仕事量の急速な減少と際限のない価格競争に見舞われ、働いても働いても収益改善の見通しが立たなくなりつつありました。そんな折の3年前、私に大きな健康上の問題が見つかり、止むなく引き継いだ会社を自主廃業するに至りました。
    創業した父には本当に申し訳ないのですが、金銭的な問題もなく廃業出来たことはとても幸運でした。親が築いてくれていた基盤のお陰です。そして変な言い方かも知れませんが、迷わず廃業する決断を出来るタイミングを示してくれた自分自身の病に感謝しています。
    体が動く間はがむしゃらに働いて、いつかは取り返しのつかない深みにはまりそうな私の状況を見かねて、天国の父がかなりの荒療治でしたが、道を示してくれたのかも知れません。

    そんな思いが走馬灯のように心を駆け巡る、いしりんさんの投稿でした。
    昨年のじゃくさんのお嬢様の結婚に関しての投稿と共に、いつまでも私の心に残ります。

    「きらクラ!」はリスナーの皆さんの楽しく笑える投稿と共に、この度のように、琴線に触れる味わい深い投稿も多数あり、音楽と合わせて感動と元気を与えてくれる素晴らしい番組です。これからもずっーと応援して行きます!!
    (自分のblogに自分で長ったらしいコメントしてすみません。現在、ただベットに横になってメンテナンスを受けていて、とても暇なんでお許し下さい。m(__)m)

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  2. いしりん$やぱげーの@神戸2018年3月21日 21:42

    こんばんわ、私の投稿を喜んでいただいて、こちらこそ大変嬉しく思います。人生は、一度きりでやり直しがきかず、後悔ばかりです。父親には、小さい頃ずいぶん遊んでもらいましたが、家を離れてからは、会うことも少なくなりました。なんとか働いて自立できているのは、運が良かったのと、両親のおかげなのに。
    ほんとうに息子と父親というのは不思議な関係ですね。交わす言葉は少なくても、よく分かり合えていたのかもしれませんね。こうして、親のことを思い出すことができたこと、そしてそのことを人様に語れること、幸せなことかもしれません。人生の3楽章から終楽章にかかっているのですが、自分のこと、いままであったことをありのままに吐露できること、そして「人生、いいことばかりじゃないけど、よかったんじゃあないの」って思えるよう、これから頑張っていきたいですね。

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    1. やぱげーの様、コメントありがとうございます。
      あの投稿はなぜか、私の心に深く響き、父を思い出し、自分の中に封印していたものが、解き放たれるような感じでした。
      本当に素晴らしい投稿をありがとうございました。

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  3. 山好きかっちゃん2018年3月21日 22:30

    お二人のコメントをしみじみとした感慨と共に味わっています。所用で山形までの車中、話題の回を聴いて来ました。「きらクラ!」を介して感動を共有できることを感謝しています。

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    1. かっちゃんさん、コメントありがとうございます。
      「きらクラ!」は本当に素敵な投稿が多く、数年前のかっちゃんさんの新緑の山の美しさを見事に描写されたお便りは、まだ心に残っています。
      山形で美味しいお蕎麦は楽しみですね!!
      蕗の薹の天ぷらも、この時期最高ですね!!
      どうか、よい旅を!!

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  4. この曲、大好きです。なんてチャーミングでセンシティブなんだろう!!
    展開部の陰影、12番のコンチェルトと同じ陰影ですね。
    20番以降の大協奏曲郡よりよく聞いてます

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    1. Hummel Note様、初めまして。
      有り難いコメントいただき感謝です。
      文面から拝察して、かなり専門的な事もご存知のようで、私の稚拙なこのblogにお越しいただけるなんて、身の縮む思いです。
      恥ずかしながら、私がこの曲を知ったのは、つい最近で、初めて聴いて「こんな素敵な曲もあったんだ♪」と、感激しました。
      これからも、宜しくお願いします。

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