2018年3月26日月曜日

K.427(417a)ミサ曲 ハ短調

ウィーンに移り住んでから、モーツァルトは純粋な教会音楽をわずか3曲しか書いていません。ザルツブルクの大司教に仕えていた頃、その命に従いあれだけ頻繁に作曲していたことを考えると隔世の感があります。
その僅か3曲は、遺作となったレクイエムK.626、アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618、そしてこのハ短調ミサ曲で、いずれも大きな存在感を放っています。
このミサ曲は、モーツァルトが他人からの注文・依頼でなく、自発的な動機で書いた極めて稀な曲と考えられています。というのは、1782年に父親の反対にあったコンスタンチェとの結婚に際して「結婚にこぎ着けられたならば、ミサ曲を1曲書いて奉納いたします」と神に願をかける旨の手紙が残っているからです。
そして1783年にコンスタンツェを連れてザルツブルクに帰省した際に、この曲の未完だった部分を何らかの形で埋めて、聖ペテロ教会で演奏されたといわれています。 最終的にキリエとグローリア以外は未完に終わり、その後の補完された形で演奏されています。曲の編成は非常に大きく、演奏時間も1時間近くかかります。
ここで聴く第1曲のキリエは、弦楽の悲痛な前奏で始まり、雄渾な合唱が歌い上げ、典雅なソプラノ独唱が続きます。このソプラノは妻のコンスタンツェに歌わせる事を想定したものといわれています。


ミサ曲 ハ短調 K.427(417a)/Kyrie Andante moderato ハ短調

余談
関東は桜が満開のようですが、当地はもう暫くかかりそうです。雪融け後で花の開花前という今の時期は、なんとも殺風景ですが、これから緑も芽吹き待ちに待った百花繚乱の季節がやってきます。こころも浮き立ちます。
そんな今日の「きらクラ!」で、ドビュッシーの幻想的で浮遊感のある音楽は、心を夢心地にさせてくれました。比類ない独自の世界を切り開いて下さった偉大な作曲家に感謝!!

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