2013年6月20日木曜日

K.452 ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 第3楽章

ピアノの軽快で愛らしいメロディーで始るこの第3楽章は広く親しまれています。
オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンとピアノの掛け合いが生き生きとしていて、室内楽の楽しさを満喫させてくれます。最後は冒頭のモチーフが華やかに演奏され曲を閉じます。

ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452/ 第3楽章 Allegretto 変ホ長調

余談
後にベートーヴェンもこのK.452とまったく同じ編成の曲を1つだけ書いています。しかも同じ変ホ長調で。
これについてアインシュタイン(モーツァルト研究家:相対性理論のアインシュタインとは別人)は以下のように評しています。

「ベートーヴェンはこの曲を、自分のピアノ五重奏曲(Op.16)によって凌駕しようと欲するだけの価値のあるものとみなした。そしてこの曲に及ばなかった。モーツァルトがこの曲で、コンチェルト的なものとの境界線に触れながら、しかもこの線を踏み越えない感情の繊細さは、ただ感嘆すべきもので、凌駕しうるものではないからである。」
                  (アルフレート・アインシュタイン「モーツァルト その人間と作品」 p.362)

その結果、「ベートーヴェンは、モーツァルトには《凌駕する》余地はあまりないことを感じ、モーツァルトとの競争を避ける」ことになったという。ベートーヴェンに限らず、モーツァルトに肩を並べる作品を書いた作曲家を見つけることは困難のようです。

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