2015年11月1日日曜日

K.465 弦楽四重奏曲(第19番)ハ長調「不協和音」 第1楽章

ハイドンセットの最後の第6曲目です。この四重奏曲は冒頭の22小節からなる不協和音に満ちた序奏があることから、「不協和音」と呼ばれて大変有名です。
当時この和声は理論的に間違いとして書き改められて演奏されたこともあったようで、それほど大胆な試みをモーツァルトがなぜ敢えてしたのかは謎です。
現代の私たちは多様な音楽に接していますから、この序奏を聴いてもさほどの違和感は感じません。むしろこの後に来るハ長調の明るい主題と見事な対比をなして、緊張感をはらんだより一層の魅力を感じさせる作品になっています。
前作 K.464 イ長調の四重奏曲完成のわずか4日後の1785年1月14日に完成していています。
ハイドンに捧げる曲集の最後を締めくくるモーツァルトの意気込みがうかがえます。


弦楽四重奏曲 ハ長調 K.465/第1楽章 Adagio - Allegro
余談
この「不協和音」の序奏部分については、モーツァルトの前年末のフリーメイソン入信と深い関係があるという説があります。それによりますと、
●フリーメイソンの最も重要な標語の一つにみられる《混沌から秩序へ》を表現している。
●入門志願者は目隠しをされたままフリーメイソン結社の儀式のなかへ案内され、その後突然目隠しがはずされ、燦然と輝く光に目が眩んでしまうという体験の感動表現である。
という考えです。真偽は定かでありませんが、私には納得できる説です。以前にも申しましたが、フリーメイソン入会後のモーツァルトの作品にはより一層の奥深さを感じるからです。
<写真>谷川岳・一ノ倉沢への遊歩道からマチガ沢を望む

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