2017年10月17日火曜日

K.130 交響曲(第18番)ヘ長調

モーツァルトが第2回目のイタリア旅行から帰って来た1771年12月に、寛大だったザルツブルク大司教のシュラッテンバッハが他界してしまいます。
後任のコロレド伯が翌年の3月に着任しますが、この時期にモーツァルトは8曲(第14番K.114~第21番K.134)もの交響曲を集中的に作曲しました。
この創作熱は新たに就任した大司教に自身の作曲能力を示すためと推測されますが、3回目のイタリア旅行に向けての新作の準備とも考えられます。
第18番の交響曲は豊かな楽想をいくつも含む作品で、モーツァルトの偉大な交響曲の第1作とみなす評論家もいます。
ここで聴く第1楽章はファンファーレなしに静かに始まり、前半のみが反復されるソナタ形式になっています。ハンガリーの民族音楽の影響とも思えるリズムをもっていて、モーツァルトの豊かな旅行体験が反映されています。


交響曲(第18番)ヘ長調 K.130/第1楽章 Allegro

<写真>ザルツブルク ヘルブルン宮殿 水の庭園

余談
今の感覚でいうと、1年にも満たない期間に8曲もの交響曲を作ったというと驚いてしまいますが、モーツァルトの時代の「交響曲」の位置づけは今の時代とは随分と違っていて、オペラなどのメインの演目の序曲のような比較的軽い扱いだったそうです。
その交響曲をどんどん進化・発展させたモーツァルトは晩年の三大交響曲を生みだし、その歴史をベートーヴェン、ブラームス・・・・へと繋いでいきます。

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