2017年10月8日日曜日

K.220(196b) ミサ・ブレヴィス ハ長調 「雀ミサ」

同じ時期、1775年頃に書かれた教会音楽を聴いてみます。
「ブレヴィス(brevis)」はラテン語で「短い、簡潔な」といった意味で、一般に「小ミサ」といわれます。
モーツァルトはザルツブルクの大司教の命令で15曲ほどのミサ曲を残していますが、その中でもこの曲は最も簡素化されているといわれています。
このことは、大司教が自身の取り仕切るミサの時間短縮を図っていたためで、曲自体は20分程の短い演奏時間で終わります。
「雀ミサ」という呼び名は、サンクトゥス、ベネディクトゥスに現れるヴァイオリンの鋭い音型が雀のさえずりに似ていることからつけられました。
あのアインシュタインは「最も気の抜けた、あまりにもザルツブルク的な教会作品」だと散々な評価をしていますが、ホモフォニックな手法でわかりやすく、親しみやすい作品になっています。ここでは、5曲目のベネディクトゥスを聴いてみます。


ミサ・ブレヴィス ハ長調 K.220(196b)/5-ベネディクトゥス Andante

<写真>ザルツブルク 大聖堂正面

余談
写真のザルツブルク大聖堂は774年に創建され、12世紀に後期ロマネスク様式で改築後、17世紀にバロック様式で建て直されたものです。
モーツァルトはここで洗礼を受け、オルガン奏者もつとめ、そして多くの彼の教会音楽はここで演奏されました。長い長い歴史が刻まれています。

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