2015年1月6日火曜日

K.492「フィガロの結婚」 第1幕『もしも踊りをなさりたければ』

伯爵がこの部屋をフィガロ達にくださるというので、フィガロは有頂天ですが、それを聞いたスザンナは伯爵の下心に気づきます。
最近伯爵が奥方に飽きて、スザンナに色気を示しているばかりか、夫人との結婚を機に廃止を宣言した初夜権を復活させたいと画策していることをスザンナから聞いたフィガロは大いに憤慨します。
それならこちらにも手があるぞと計略をめぐらすフィガロが歌うカヴァティーナ(素朴な旋律をもつ歌謡的な声楽曲)です。


「フィガロの結婚」K.492 第1幕『もしも踊りをなさりたければ』

<訳> (小学館 魅惑のオペラ 01巻より転載)
フィガロ もしも踊りをなさりたければ、伯爵様・・・ギターを弾いて差し上げましょう。
      もしも手前の学校に入門なさりたければ、踊りの一つもお教えしましょう。
      知っていますとも 今にわかりますよ 
      だからここはひとつ なりをひそめてそらっとぼけているほうが 
      秘密を暴くには都合がよさそうだ。
      策を用い 手を尽くし あちらこちらに悪ふざけ・・・もくろみすべて覆しましょう
      策を用い手だて尽くして 罪深い冗談なさろうものなら
      どんなたくらみも覆してみせましょう。
余談
オペラを聴くようになる以前に、知識としてあらすじを読んだとき、正直このストーリーのたわいなさには抵抗を感じました。そしてこの前時代的な「初夜権」の話に至っては閉口してしまい、これが私のオペラ鑑賞を遅れさせた原因のひとつでした。喜劇として楽しむ心の余裕が足りなかったようです。
しかしこの人間臭く愚かしいストーリーが、モーツァルトの音楽によって愛しい人間劇として芸術にまで昇華される様には驚くほかありません。

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