2015年1月8日木曜日

K.492「フィガロの結婚」 第1幕『自分で自分がわからない』

このオペラではケルビーノという伯爵の小姓がたびたび登場します。
どんな女性にでも恋してしまう思春期の少年なのですが、メゾソプラノが歌う役柄(いわゆるズボン役)で、最初観るとこの少年役が女装するというシーンもあって混乱してしまします。 そのケルビーノが登場する第1幕の場面です。

スザンナがマルチェリーナと口論した後ひとりになると、小姓のケルビーノが部屋に入ってきます。
せんだって庭師アントニオの娘バルバリーナと一緒にいたところを伯爵に見つかって追放されそうなので、伯爵夫人にとりなしてほしいと懇願します。「あら最近彼女に恋しているの」とスザンナがからかいます。
彼は目下女性なら誰でもときめいてしまう年頃なのです。ここでケルビーノが歌うアリアです。


「フィガロの結婚」K.492 第1幕『自分で自分がわからない』

<訳> (小学館 魅惑のオペラ 01巻より転載)
ケルビーノ
   自分で自分がわからない
   火のように燃えては冷め 女と見れば顔は赤らみ 胸は高鳴る。
   愛という言葉ひとつに 僕の心は乱れ なぜかはわからないけれど
   恋を語らずにはいられなくなる。
   目覚めていても恋を語り まどろんでいても恋を語る
   水に、影に、山に、花に、草に、泉に、大気に、
     むなしいひびきを運ぶこだまにも恋を語るのさ。
   たとえ だれも聞いてくれなくても 自分ひとりで恋を語るのさ。

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