2016年11月17日木曜日

K.305(293d) ヴァイオリン・ソナタ イ長調 第2楽章

モーツァルトはマンハイム=パリ旅行の間に7曲のヴァイオリン・ソナタを集中的に作曲しています。
それ以前は、7歳~12歳の間に作曲した18曲程の習作的な作品があるのみですから、本格的にヴァイオリン・ソナタに取り組んだ最初の時期といっていいでしょう。
その中で、K.301~K.306の6曲は、当時のバイエルン選帝侯妃マリーア・アンナ・ゾフィーに献呈されたことから、「選帝侯妃ソナタ」と呼ばれ、パリで出版されました。
いずれも非常に充実した聴きごたえのある作品になっています。
このK.305はイ長調の明るくギャラントな雰囲気をもっています。2楽章形式で、この第2楽章はめずらしく主題と6つの変奏曲から構成されています。


ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.305(293d)/第2楽章 Andante grazioso 主題と6変奏

余談
以前にも書きましたが、モーツァルトの時代はヴァイオリン・ソナタは主役がピアノでヴァイオリンは伴奏に回る形式になっていて、正確には「ヴァイオリン伴奏つきのピアノ・ソナタ」となっていました。
しかしモーツァルトはピアノとヴァイオリンが対等に渡り合う近代的な作風への先駆的作品を残していきました。
このブログでも今まで多くのヴァイオリン・ソナタを取り上げてきましたが、選帝侯妃ソナタの他の曲のリンクを下記に示します。お時間のある方はご覧になってください。
 Link ▶▶ K.301 ト長調、 K.302 変ホ長調、 K.303 ハ長調、 K.304 ホ短調

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