2016年11月14日月曜日

K.311(284c) ピアノ・ソナタ ニ長調 第1楽章

幼い頃から数多くの旅を経験したモーツァルトは、各地で様々な人や音楽との出合いの中でその才能を開花させていきました。
このマンハイム・パリ旅行でも、アウクスブルクのクラヴィア職人であったシュタインとの出会いはその創作意欲を刺激したようで、3曲のソナタ(ハ長調 K.309、ニ長調 K.311、イ短調 K.310)を書いています。
父宛の手紙にモーツァルトは次のように書いています・・・・
『シュタインの仕事をまだ見ていないうちは、ぼくはシュペートのピアノがいちばん好きでした。でも今ではシュタインの方がまさっていると言わざるをえません。 この方がレーゲンスブルク製のものよりも、いっそう共鳴の抑えが利くからです。強く叩くと、指をのせておこうと離そうと、鳴らした瞬間に、その音は消えてしまいます。思いどおりに鍵盤を打っても、音はいつも一様です。カタカタするとか、強くなるとか弱くなるとかということはなく、まして音が出ないなどということはありません。一言で言えば、すべてが一様なのです。』(岩波書店 「モーツァルトの手紙(上)」P70より)

シュタインのフォルテピアノによって新しい表現方法を発見したモーツァルトは、すぐにこれらの作品の中で具現化したといわれています。
この第1楽章はモーツァルトらしい明るく快活な光に満ちています。


ピアノ・ソナタ ニ長調 K.311(284c)/第1楽章 Allegro con spirito ニ長調 4/4 ソナタ形式

<写真>弥彦公園の池に映るもみじ谷の紅葉 (この写真はNHK新潟放送局「わたしの旬」〈11月10日放送〉で採用していただきました)

 今日の『きらクラ!』
今回の「勝手に名付け親」コーナーは興味津津でした。あの名曲に一体リスナーはどんな名前を付けるんだろう……と、全く枯渇した自分の発想を諦めて、ただただ拝聴させて頂きました。
さすがに素晴らしい投稿の数々で、ベストに選ばれたつくば市のたれもんたさんの「黎明――静かなる決意」には心から納得しました。既存の名前を凌駕するものだと感心しました。ところが今回、さらに付録がつきました!
この新世界の第2楽章全体を4部に分けた「交響的絵画 フランダースの犬」(小平市 ゆうせいさん)が彗星のように登場しました。大まかな内容が音楽に合わせて紹介されましたが、すごいピッタリ感! 誰でも知ってる名曲と児童文学の見事なコラボでした。フルバージョン聞きたい!!!!

そこで思ったのですが、いつもこのコーナーを聞くと、リスナーの投稿の中には非常に発想豊かなストーリーになっているものも多いので、特別版で「勝手にストーリー」として、オリジナル、アレンジ等を問わず、音楽に丸ごと合わせたお話を募集するのも面白いのではないかと思いました。
「BGM選手権」の完全逆バージョンになり、スタッフの方々の負担も多くなるかと思いますが、とても面白いと思います。コダマッチ様ご検討ください。

4 件のコメント:

  1. 夜更けのニャン2016年11月15日 19:01

    時折 立ち寄らせていただいています。
    美しい写真とこころに沁みるモーツァルトの音色。
    再開していただきありがとうございます。
    また楽しみにしています。

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    1. 夜更けのニャン様
      初めまして、コメントありがとうございます。
      ひょとして、猫ちゃんファンでしょうか? 我が家も3+1(非常勤)匹の猫ちゃんと生活しております。(^.^)
      長く休んでおりましたので、これからはなるべく多く更新するように頑張ります。
      また、遊びにいらしてください。m(__)m

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    2. 夜更けのニャン2016年11月16日 15:21

      love mozart 様

      たくさんの猫ちゃんに囲まれた生活、うらやましいです。
      私も猫好きですが 残念ながら今は猫ちゃんはいません。
      ところで 非常勤の猫ちゃんとは?どんな猫ちゃんなのですか?

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    3. 夜更けのニャン様
      コメントありがとうございます。分かりにくい表現をしてしまいました。
      我が家には16年前より3匹の猫がおりましたが、今年の9月頃、近くで野良だった生後6ケ月くらいの猫が弱っていたため保護いたしました。
      名前は茶色だったので「茶子」と名付けました。現在は十分な食事と休養が取れているため元気になったのですが、野良の頃の習性からか半日くらいは家におりません。そのため茶子は非常勤としました。
      猫もテリトリーを守る本能は強く、土着の3匹との確執があるようで、我が家は茶子にとってセカンドハウスになっているようなんです。

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