2016年11月12日土曜日

K.315(285e) フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調

モーツァルトがマンハイムに滞在していた頃(1777年10月-1778年3月)の作品をもう少し聴いてみます。
この地でオランダ人の医師で裕福だったフルート愛好家のドゥジャンから作曲依頼を受けて、モーツァルトはこの作品の他にフルート四重奏曲、フルート協奏曲などフルートのための作品を数曲残しました。
この作品の自筆譜には日付が記されていないため、時期は特定できませんが、K.313のフルート協奏曲の第2楽章が一般愛好家には難しい面があったため、平易な形に書き直したものだとも考えられています。

弦のピッツィカートに管の響きが加わるお穏やかな導入部から、すぐに独奏フルートがのびやかに主題を歌います。
中間部で愁いを帯びた短調に転じ、再現部を経てカデンツァのあと第一主題に戻り静かに曲を閉じます。


フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315 (285e) 2/4 ソナタ形式

余談
年をとると朝早く目が覚めます。気が向くと時々NHKの「ラジオ深夜便」を聞きます。
今朝(11日午前4時)にたまたま聞いた放送がとても心に残りました。
リラ・プレカリア(祈りの立て琴)プログラム・ディレクター キャロル・サックさんのお話でした。
病床にある方や心身に痛みを持つ方に、ハープと歌による祈りをお届けする活動をボランティアでなさっておられる方でした。
その目的は、訪問を利用してくださる方一人ひとりに「あなたはそのままで価値のある大切な存在です」と伝えることにあるといいます。ベッドサイドで利用者の呼吸に合わせながら音楽を奏でることで、共感と敬意をもって利用者と共に在ること、そしてそれが利用者の癒やしとなることを目指しているそうです。
実演も聴かせていただきましたが、深い安らぎに包まれる幸福感に満たされました。何か音楽のもつ力の本質に触れた思いでした。

2 件のコメント:

  1. やぱげーの@神戸2016年11月12日 9:06

    おはようございます。わたしもずいぶんな年寄りですが,幸いなことにぐっすり朝まで寝ています。きょうは、久しぶりのフリーな土曜日なので、寝坊しました。
    朝一番で、このフルートとの音色、気持ちが明るくなりました。そして優しく。
    ご存知なように、私のブログでは好きな曲をアット・ランダムに紹介していますが、いろんなチャンスを見つけては取り上げています。ここで取り上げられた曲やこのブログのことを紹介させていただいてよろしいでしょうか?

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    1. やぱげーの@神戸様
      おはようございます。有難いコメントをいただき恐縮です。
      このブログは素人の作る稚拙な内容ですが、モーツァルトの音楽を愛する気持ちだけは大切にしております。
      気ままな更新しか出来ませんが、紹介していただけるのは幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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